フレグランスの世界〜第五章 女と香り

フレグランスの世界〜第五章 女と香り

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いい香りを纏うレディには、幸せが訪れるという。 見ているだけでも美しい、香水の奥深い世界を紐解きます。


ときにかわいく、あるときはクールに。その日の気分や予定に合わせて、さまざまな印象を演じたくなるのが、〝女〟という生きもの。そんな変身願望にも、香りが重要な役割を果たす。

「嗅覚を通して脳へ直接伝わり、本能へ働きかけるのが、香りの特性。香りを身につけることで、自身の意識はもちろん、周囲が自分に抱く印象も一瞬で変えられます。その効用は強く、一見クールで気が強そうな女性でもやわらかい香りを纏えば、〝優しそう〟と真逆な印象を抱かせることも。香りは見えないからこそ、内面の魅力に光をあてられるのです」(牧野さん)

そして、もうひとつ。香りには〝お守り効果〟があることも教えてくれた。思い返してみれば、幸せなワンシーンや場所にはいつもいい香りがあったはず。昔から神仏の儀式に用いられてきたり、自身の意識を高められることからも、その信憑性は否定できない。実際に、〈ディオール〉の〈ラッキー〉や〈シャネル〉の〈チャンス〉など、幸運をテーマにした香りは少なくない。

また、香水といえば、ボトルの美しさも目を引くが、その多くには香りを身につける瞬間の女性の所作を美しく魅せる計算がなされている。香りは、必ずしもなくてはならないものでもない。しかし、その存在は少なからず、女の人生に忘れられない瞬間や喜び、明るい気持ちをもたらしてくれることは確実。絶対に肌に纏わなくてもいい。今の時期なら、傘の内側に好きな香りをひとふきすれば、雨の日も楽しくなる。

 

幸運を手に入れたいときに 纏ってほしいフレグランス。

ラッキーチャームでもある人気のスズランに白い花々と爽やかさを添えた、笑顔ほころぶ香り。
メゾン クリスチャン ディオール オードゥ パルファン ラッキー 250ml ¥36,500(パルファン・クリスチャン・ディオール 03-3239-0618)

 

■「フレグランスの世界〜第一章 記憶と香り」はこちら
■「フレグランスの世界〜第二章 メゾンと香り」はこちら
■「フレグランスの世界〜第三章 日本人と香り」はこちら
■「フレグランスの世界〜第四章 ミレニアル世代と香り」はこちら

参考文献:広山 均『香り選書5 香りの匠たち ─香水王国フランス賛歌─』(2008 フレグランスジャーナル社)/ジャン=クロード・エレナ、芳野まい訳『香水 ─香りの秘密と調香師の技』(2010 白水社)
相良嘉美『香料商が語る東西香り秘話』(2015 山と渓谷社)/サビーヌ・シャベール、ローランス・フェラ、島崎直樹監修、加藤 晶訳『フォトグラフィー レア パフューム 21世紀の香水』(2015 原書房)

Photo: Masahiro Sanbe Styling: Yuriko E Text & Edit: Masumi Kitagawa Shooting cooperation: Morita Antiques

GINZA2018年7月号掲載

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