はじめまして。房中養生アドバイザーの鰻澤です。房中養生とは、東洋医学の「適切な性生活による健康法」のことで、簡単に言うと“食養生のセックス版”みたいなもの。あまり知られていないのですが、このような東洋医学的性養生に基づいて、カウンセリング、鍼灸治療、ヨガ療法などを都内のクリニックで行っています。
性養生についての漢書を紐解き、鍼灸やヨガによる性機能改善効果を考察していると、エロスとヘルスの狭間から思いもよらないオモシロネタが次々と見つかります。せっかくなのでその一部をこちらでお伝えしていこうと思っています(果たしてGINZAというモードな媒体でこのような話をしても大丈夫なのかと不安になりますが…)。初回なのでエロスはすこし控えめに、「GINZAガールをパワーアップさせる呼吸法」をご案内。

オーラの鍵は呼吸にあり
街を歩いていると、ふと目に留まりそのまま視線をもっていかれてしまうような「特別な存在感」のある人に出会います。こういう人が皆、すごい美人でモデルみたいにスタイルがいいかというと、そうとも限りません。ファッションやメイクなど外見の力もそれなりにあるとは思いますが、それ以外にも周囲を惹きつける「何か」を発しているような…。気?フェロモン?それともオーラ?
以前カリフォルニアのヨガクラスで、ひとりの生徒がヨガティーチャーにこんな質問をしていました。
「先生が教室に入ってきた途端、その存在感に圧倒されたわ!どうやったらそんなふうにオーラを放つことができるの!?」
師はニコリと微笑み、穏やかにこう答えました。
「私自身のオーラがどうなのかはわかりませんが、存在感がある人は決まって呼吸が深くゆったりとしていますね。深い呼吸を身につけると、様々なものへの向き合い方が変わります。それにより自然とオーラが出るのではないでしょうか。」
なるほど!オーラを出すには深い呼吸をマスターすればいいのですね!とは言え、深い呼吸をするには、ゆっくり吸ってゆっくり吐く以外にどんなことを意識したらいいのでしょう。深呼吸が簡単に身につくヨガの呼吸法があるのでご紹介します。
オーラを出す「完全呼吸法」
椅子に浅く座って骨盤を起こし、背筋をスッと伸ばします。奥歯は噛みあわせずに口を軽く閉じ、鼻呼吸をスタート。
まず肺の中の空気をすべて吐ききってから、
①「肺の底の方」に息を吸い込む。横隔膜が押し下がるイメージで。このときお腹は前に膨らみます。
②次に肋骨のあいだを広げるように「肺の真ん中部分」に息を吸い込みます。胸は前に、脇のあたりは横に、背中はうしろに広げるように。肺全体に空気が満たされます。
③さらに少し肩が上がるくらい「鎖骨のあたり」に息を吸い込む。このとき下腹部は軽くへこみます。
次に息を吐きますが、「①肺の底→②真ん中部分→③鎖骨のあたり」の順番で、奥の方からじっくり丁寧に吐ききります。この動きを力まずにゆったりと繰り返します。横隔膜から鎖骨まで、胸部全体を静かに内側から広げていくように。
どうでしょう、なんだか安定し満ち足りた気分になりませんか?深く緩やかな呼吸は副交感神経を優位にします。心は落ち着き、頭の中は冷静でクリアな状態に。あなたの堂々と落ち着いた佇まいは、強いオーラが出ているような印象を与えるはず!
ちなみにこの呼吸法、“早漏”で悩む男性に指導することもあります。勃起は副交感神経優位状態、それに対し射精は交感神経優位によるもの。だから射精しそうになったら一度動きを止めて、ゆっくりと完全呼吸。なんとかこらえようと頑張る彼からも、強いオーラが立ち昇っていたりして…。