ネタの世界観を表現する上で鍵となる衣装には、芸人たちのこだわりが詰まっている。 賞レース王者からバラエティの人気者まで、芸人衣装研究家の福田フクスケさんが解説!
🎨CULTURE
お笑い芸人コスチューム図鑑 vol.1
ランジャタイ、やす子、真空ジェシカetc.
真空ジェシカ

ガクさんはグリーン系、川北茂澄さんは象形文字に見える不思議な柄のジャケットを着用。
「スタイリッシュな衣装は、常にふざけずにはいられない2人をなんとかこの社会につなぎ止めておくための鎖であり鎧。もっとラフな私服スタイルだったら、彼らの芸風は難解だと言われてこんなに受け入れられていなかったかも!?川北さんのジャケットの柄は“布袋のギター柄”のようにいつか“川北柄”と呼ばれる日が来るはず。パンツを脱いでもあの柄の下着をはいていてほしいです」
かが屋

加賀翔さんは黒、賀屋壮也さんは白のTシャツに、スタンダードなデニムを合わせるのがお決まり。
「お笑いにストイックになりすぎるあまり、それ以外の要素を削ぎ落とした末にたどり着いた格好なのでしょうか。“服を選ぶ時間があるなら、ネタを考えるために使いたい”という発想のもと、同じTシャツを7枚ずつ持っていて、毎日ローテーションで暮らしていそう。2人がどんな役を演じても、その世界に入り込めるのは、衣装のイメージが強すぎないからなのかもしれません」
クールポコ。

紅白をキーカラーに、はちまきや腹巻き、エプロンがトレードマーク。
「みんな意外と気づいてないけれど、これって実は何かのコスプレではないんですよ。この格好で餅をつく人って本当は存在しないんです。なのに、まるで伝統的な正装であるかのごとくイメージを確立させたところが凄すぎます。オリジナルなのにあるあるみたいな、偽の歴史(笑)。最近放送されているカップラーメンのCMといい、本人たちが着なくてもクールポコ。だとわかるっていうのが本物の証です」
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Text: Momoka Oba