若い男子のみがかかる伝染病・赤面疱瘡の予防法をとうとう確立させる平賀源内(鈴木杏)と青沼(村雨辰剛)。しかし彼らに危機が迫り……。男女逆転版『大奥』13話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。12話レビューはコチラ。
🎨CULTURE
考察『大奥』13話。あまりにも理不尽!
「生きてるだけじゃダメなんだよ!」平賀源内の慟哭に打ちのめされる
考察『大奥 』13話(Season2 医療編3話)
未来につながる
源内の「心から望むもの」
「あまりにも理不尽ではないか」
雨の中で黒木(玉置玲央)が叫んだとおり、『大奥』13話はつくづく理不尽さにうちのめされるような回だった。
自らを女であることから解放するような生き方をしてきた平賀源内(鈴木杏)。しかし12話で女として虐げられるという屈辱を受け、さらには梅毒をうつされてしまう。青沼(村雨辰剛)から治る見込みがないことを遠回しに伝えられると、
「生きてるだけじゃダメなんだよ!バンバン旅ができてビンビン頭が働かなきゃ私じゃないんだよ!そんなの平賀源内じゃないんだよ!」
と泣き叫ぶ。旅をして、考えて、誰も思いつかなかったことをどんどん思いつく。源内にとってのアイデンティティはそこにある。病は容赦なくそれを奪っていく。そんな中、田沼意次(松下奈緒)は、源内が“心から望むもの”を考え、「女子蘭学の禁を解く」という最高の褒美を与える。
「平賀源内がいたから、この門戸は開かれたのです」
これまで生きてきた意味を、その価値を、好きな人から与えられた。絶望の中にあって、この褒美はどれだけ源内を勇気づけたことだろう。
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Edit: Yukiko Arai