真犯人レースぶっちぎりの設楽父子を追うのは？志尊淳×岸井ゆきの『恋は闇』5話を振り返る

「謎の女、現る…!!」TVerの5話のサムネイルに記載されたテキストだ。設楽浩暉（志尊淳）、筒井万琴（岸井ゆきの）に挟まれた中央に、二人と同じサイズで謎の女（齋藤飛鳥）が大きく配置されている。これから5話を観る視聴者に対してネタバレすぎないかとも思ったが、確かにこの謎の女が5話最大の見どころであることは間違いない。

振り返ってみると1話冒頭、フードをかぶった浩暉が「もうやめて」と言う女性に「ごめんね」と言いながら注射器を刺すシーンがあった。ここで目を見開いた女性の前髪は、謎の女同様切り揃えられている。1話を観ていたときは気づかなかったが、こうして改めて見るとこの女性は齋藤飛鳥のようだ。

「疑惑、深まる」というサブタイトルのとおり、5話でも浩暉が犯人と思われる状況が揃っていく。そして今回、もっとも浩暉への疑惑を深めていったのは万琴だ。4話までは目を逸らしていた浩暉への疑い。しかし浩暉が警察発表前の凶器などを記事にしていること、親友の向葵（森田望智）を通じて浩暉の元カノ・透子（小林涼子）から彼の過去を知ったことなどから、とうとうこっそり浩暉の家に侵入するまでに。そこで出会ったのが謎の女だ。

鑑識・松岡（浜野謙太）によって、「ホルスの目」連続殺人事件の新たな被害者の腕に注射痕があり、これまでの被害者の腕にも大きな傷があったことから、犯人は血を抜いて戦利品として持ち帰っているのではないか、という推理が明らかにされた。正聖（白洲迅）が浩暉の家で発見した不在票の荷物が注射器であることも判明した。そして5話終盤、万琴は浩暉の部屋の冷蔵庫から血液らしきパックを発見する。

我々視聴者に与えられた新たな情報としては、浩暉が充分暮らしていける以上の金を必要としていること。そして血を求めていること。それにしても浩暉の過去、病院の警備員アルバイト→歌舞伎町の売れっ子ホスト・ヒカル→フリー記者とは、なかなか変わったキャリアだ。しかしどうやら警備員もホストも、連絡なしに仕事を辞めているらしい。「ホルスの目」の被害者遺族に何度も手紙を送っているくらいでは取り返せない過去の振る舞いだ。