とうとう殺人現場で設楽浩暉(志尊淳)に遭遇してしまった筒井万琴(岸井ゆきの)。水曜ドラマ『恋は闇』(日テレ 毎週水曜よる10時〜)8話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。7話レビューはこちら。
*レビューはネタバレを含みます。
万琴が家族に浩暉を紹介することにはならないのだな…
とうとう殺人現場で設楽浩暉(志尊淳)に遭遇してしまった筒井万琴(岸井ゆきの)。水曜ドラマ『恋は闇』(日テレ 毎週水曜よる10時〜)8話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。7話レビューはこちら。
*レビューはネタバレを含みます。
わからない! まあずっとわからない状態ではあるのだが、8話ラストを観てますますわからなくなった。毎月ゾロ目の日に起きる「ホルスの目」連続殺人事件。6月6日、GPSアプリで確認した設楽浩暉(志尊淳)の居場所を訪ねた筒井万琴(岸井ゆきの)。彼女が目にしたのは、「ホルスの目」被害者の特徴をもつ死体を前に、血まみれの包丁を持って佇む浩暉の姿だった……。ここで、やっぱり浩暉が犯人だったのか! とは思えない。本当に犯人であれば、捕まりたくなければ、チャイムの鳴った瞬間に逃げたり隠れたりするはずだ。浩暉はおそらく万琴によってGPSアプリが入れられていることも、それを確認して万琴が自分を探すこともわかったうえであえてその姿を見せたのだろう。
となると、万琴のインタビューに答えたことも彼の計算のうちだったように思えてくる。万琴としては、インタビューを通じて浩暉に対する疑いを晴らしたいという願いがあったはずだ。けれど、異母妹・みくる(齋藤飛鳥)については聞くことができなかった。さらに、自分たちの報道で取材対象者が傷つくような反応が来た時に「予測できなかった」と悔しがった万琴が、プロデューサー・沙樹(西田尚美)の
「万琴はこれ放送してどういう流れを予測してるの?」
という問いに対し「えっ」と言葉を詰まらせる。浩暉がからむことで、事件に対して冷静な判断ができていないのだ。案の定、浩暉のインタビューが放映された後、SNSでは浩暉を犯人扱いする意見がより強まっていく。
ではなぜ、浩暉は自分を犯人に見せたいのだろうか。やはり家族の存在が気になってくる。父・貫路(萩原聖人)と浩暉、みくるが3人で集まり、部屋の中で座ることもせず、
「大丈夫、二人のためなら何でもやるよ」
と貫路が話すシーンがあった。家族で何らかを企んでいたことがうかがえる。その後張り込みをしている刑事・正聖(白洲迅)の前にあえて貫路が姿を現し、正聖がその姿を追う隙にみくるが家を出るという連携プレーも行われている。みくるの存在を徹底的に隠そうとする振る舞いだ。7話冒頭の血まみれで立ち尽くすみくるを思い出すと、みくるは母(紺野まひる)殺しの犯人であり、また現在の「ホルスの目」もみくるの仕業で、父子二人して人生をかけて彼女をかばっているという線も考えられる。ただ、連続殺人の方の動機がわからない……。
Edit_Yukiko Arai