妻ネルラ(松たか子)、夫の幸太郎(阿部サダヲ)、刑事の黒川(杉野遥亮)。三角関係の行方が気になる第二部の幕開け。ドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日毎週木曜よる9時〜)6話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
5話のレビューはこちら。
*レビューはネタバレを含みます。
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妻ネルラ(松たか子)、夫の幸太郎(阿部サダヲ)、刑事の黒川(杉野遥亮)。三角関係の行方が気になる第二部の幕開け。ドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日毎週木曜よる9時〜)6話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
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「第二部!疑惑の妻と裏切りの朝」とサブタイトルでも大々的に「第二部」をアピールし、冒頭はこれまでの物語を振り返るダイジェストから始まった第6話。
ネルラ(松たか子)が、15年前についた嘘やこれまでに思い出したことも含め全てを警察に話すと決意。黒川(杉野遥亮)による事情聴取に幸太郎(阿部サダヲ)が弁護士として同席。妻、夫、ネルラへの恋心を自覚した刑事。三角関係にある三人が対峙し、改めて事件の全容が順を追って語られるところまではかなり緊迫感があった。
ところが、その後ネルラ夫妻が上野のマンションを内見するシーンでは、これまでにないほどコミカルな時間が流れる。
二人がマンションを探し始めたのは、ネルラの誕生祝いの場で父・寛(段田安則)から
「うちはこうやって生きてきたんだけど、あんたとネルラはここを出て二人で暮らしてもいいんだよ」
と言われたからだ。幸太郎には独身時代に住んでいた立派なマンションがあるが、
「芝公園のマンションって、いろんな女の人がスポットで来てたとこでしょ?」
と妙にこなれた表現でネルラが難色を示したため、新しく部屋を探すことになったのだ。
内見シーンで夫婦を案内する不動産屋・南雲として登場したのは山内圭哉。阿部とほぼ同世代で、映像の世界だけでなく、演劇界でも活躍を続けている役者だ(しかし演劇界のスターが次々登場し続けるドラマだ)。この南雲がクセのある男だった。なぜか時代劇調のしゃべり方。新築マンションのイメージ図を実際の風景と勘違いしたネルラに「イラストでございます」と説明するくだりも妙に長かった。夫妻にずいぶんへりくだった接し方をしていたかと思えば、「ニュースホープ」のMC・梶原(馬場徹)が30歳差の恋人といるところに遭遇した後は「詮索する心の自由ばかりは止められないかもしれません」と言い放つ。「見ざる言わざる聞かざるは不動産屋の鉄則ですので」のセリフのカット割りなんて、ふざけた口調をさらに助長しているかのようだ。
上野でめぼしい物件が見つからず、一旦はやはり幸太郎のマンションに住もうとしたネルラ夫妻。しかし幸太郎は家族の食事会で、事件が解決するまでは「ネルラが大切にしてきた皆さんと一緒にいたいと思うんです」と宣言。長く独身を貫いてきた彼が、“結婚の意味”を改めて受け入れ、ネルラを家族ごと愛すると決めた感動的な展開だ。その直後、叔父・考(岡部たかし)が真犯人として警察に出頭する。シリアスかと思えばコミカルで、感動かと思えば衝撃。なんだこの回は!
Edit_Yukiko Arai