叔父・考(岡部たかし)が自首し、弟・レオ(板垣李光人)も予想外の状況に……。家族に押し寄せる危機!ドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日毎週木曜よる9時〜)7話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
6話のレビューはこちら。
*レビューはネタバレを含みます。
待ち受ける修羅場を、幸太郎ならば乗り越えてくれるだろうか

叔父・考(岡部たかし)が自首し、弟・レオ(板垣李光人)も予想外の状況に……。家族に押し寄せる危機!ドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日毎週木曜よる9時〜)7話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
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*レビューはネタバレを含みます。
15年もの間、家族にのしかかり続けていた事件に晴れ間が覗いたと思ったら、それを上回る衝撃の事実が明らかになった。ネルラ(松たか子)も父・寛(段田安則)も、布勢(玉置玲央)殺害の犯人ではないことが明らかになり、幸太郎(阿部サダヲ)の呼びかけで家族揃って事件に立ち向かおうとしていた矢先、ネルラの叔父・考(岡部たかし)が真犯人として警察に出頭したのだ。
考の自供をもとに15年前の出来事が順を追って描かれていく。家族たちはうろたえる。ショックを受ける。寛は一代で大きくした会社を「追われた日の何十倍もの衝撃だ」とこぼす。それはそうだろう。
けれども、このドラマが描くのはそれだけではない。なんだかそこには日常がちゃんとあるのだ。考の出頭が発覚した朝、集まった家族に幸太郎(阿部サダヲ)がかける言葉は、
「これからまだ先は長いから、朝ごはんちゃんと食べてくださいね」
だ。テーブルの上には、考が警察に行く前に用意したらしいたくさんのおむすびが置かれている。ネルラも「食べましょう」と促し、考を母のように慕っていたネルラの弟・レオ(板垣李光人)が泣いていると、寛が「泣いてないで食べろ」と言う。
考のことが明るみに出て、ネルラは学校から休むよう言い渡される。幸太郎も仕事が激減。夫妻は“ステイホーム”に突入する。掃除をして、ごはんを食べ、少し将来の心配をして、旅行に行く。
これが生きるということなのだろう。そしてこのドラマは、そこを描くことこそを、大事にしているのだろう。
どんなにショックなことが起きても、人生は、生活は続く。非日常の合間には、日常が横たわっている。はからずもこの夫婦にとっては初めての、朝から晩まで一緒にいる期間の到来だ。ネルラは「信じられないくらい水入らずで」女の人といるのが苦手な幸太郎にとって「危機的状況」なんて言いながらも、お互いをいたわり合う貴重な時間にもなっている。
「こんな最悪な状況でもしあわせを感じちゃうのね、人って」
そう言うネルラが少し怖くもあるけれど、当然の気持ちだとも思う。
Edit_Yukiko Arai