2025年11月12日（水）から12月27 日（土）まで、アーティスト、System of Culture（システム・オブ・カルチャー）が個展『Exhibit 8 Pieces of Narratives』を開催。文筆家の伊藤亜和、脳科学者の中野信子、アーティストの布施琳太郎の三名が執筆したテキストも同時に展示される。
🎨CULTURE
写真群からナラティブをつむぐ展覧会
System of Culture個展に伊藤亜和や布施琳太郎らも参加
2017年にアーティストコレクティブとして結成されたSystem of Culture（システム・オブ・カルチャー）。おもに写真を媒体としながら、西洋美術の古典的静物画を再解釈したようなアプローチの「Still Life」シリーズなどによって「見ること」を探ってきた。現在は小松利光がアーティストネームを引き継いで活動を継続している。
本展『Exhibit 8 Pieces of Narratives』では、語りの構造や技法を考えるナラトロジー（物語論）を撮影に応用したシリーズ「Then, Passed over」を発展させた新作を展示。画面のなかに入念に要素が配置された写真が、何枚も並ぶ。このイメージの集合体が、鑑賞者になにかしらの物語を想起させるのだ。
「On the Windowsill」2025
「In This Drawer」2025
「Cardboard Box」2025
「An Email」2025
「Sofa with Pillow」2025
「Boxing Glove and Books」2025
「Alphabet Soup」2025
System of Cultureの制作スタイルは、モチーフ選定から構図設計、ライティングまで緻密に狙いを定めるもの。今回は、そこにAIを取り入れて被写体や撮影ロケーションを選定。作者の意図が反映された部分、されない余白の両方が、物語を生むきっかけとなる。小松はそうして出来上がったインスタレーションを、「複数枚の写真からなる物語のデータベース（物語になる可能性を持つ写真群）」として提示する。
さらに、写真とは表現手法を異にする三人が、展示作品に着想して文章を寄せる。文筆家の伊藤亜和、脳科学者の中野信子、アーティストの布施琳太郎それぞれのテキストが写真とともに展示。これら3つの物語と同様に、鑑賞者自身も、提示された写真から自らの物語を自由に紡ぎ出すことができる。
ユニークなかたちで美術史と写真表現との接続を試みてきたSystem of Culture。本展では、AIやテキストとリンクさせることで、人が視覚から物語を感じる可能性を押し広げる。
写真集『Pieces of Narratives』カバー。
写真集『Pieces of Narratives』より。
写真集『Pieces of Narratives』より。
会場となる MAHO KUBOTA GALLERY では、写真集『Pieces of Narratives』（United Vagabonds刊）が先行発売される。あわせて、100部限定の特別版とポスターを発売予定。特別版にはサイン入り特製プリントと専用ボックスが加わる。限定ポスターは100枚限定で販売。
ℹ️
【Exhibit 8 Pieces of Narratives】
会期＿2025 年11 月12 日（水）〜 12 月27 日（土）
＊（日・月・祝日休廊）
時間＿12:00 〜19:00
会場 ＿MAHO KUBOTA GALLERY
住所＿東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F
Tel_03-6434-7716
Text_Motoko KUROKI
