物騒な連続殺人事件が起き、警察から助けを求められる洋輔(松田龍平)。FBIも幽霊も宇宙も入り乱れる!のに相変わらずほのぼのしている……。金曜ナイトドラマ『探偵さん、リュック開いてますよ』(テレ朝 毎週金曜よる11:15〜)3話を「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
1〜2話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
なんという時間の無駄遣い!そして「ふわふわ繭」という名産品が生まれた

物騒な連続殺人事件が起き、警察から助けを求められる洋輔(松田龍平)。FBIも幽霊も宇宙も入り乱れる!のに相変わらずほのぼのしている……。金曜ナイトドラマ『探偵さん、リュック開いてますよ』(テレ朝 毎週金曜よる11:15〜)3話を「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
1〜2話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
1話で謎の組織、2話は地底人、3話では地球外生命体に幽霊。だんだんSF度が増している、のか?とにかく、あまりに無茶苦茶すぎて、見終えたあとなぜか爽快な気分にさえなる。『探偵さん、リュック開いてますよ』3話は、1、2話とは違った手触りの1時間だった。
冒頭は、かなりシリアスな雰囲気で始まる。知り合いの家を訪ねた男。呼びかけても返事はない。おかしいなと裏手に回ると、繭のようなものに包まれて絶命している家主を発見する。いかにもミステリードラマらしい空気だ。警察が集まる。そこには、悪い足を引きずりながら何かと「現場で死なせてくれ」と言う警部・春藤(光石研)もいる。どうやら最近、同じような変死体が次々発見されているらしい。共通するのは現場に残された不可解な暗号文。春藤は「あいつしかいない」と洋輔(松田龍平)に助けを求める。
「あいつは探偵として筋金入りの二代目だからな」
洋輔は、A5サイズくらいの紙にぎっしりとペンで書き記されている暗号の解読に挑む。視聴者も全部が読めるように映されるから、なんとなく考えてしまう。「芋」みたいな字があるなとか、数式に意味がありそうとか。
空撮で映し出される、洋輔たちが住む街。街を囲む山と、空にたなびく雲。揺らぐ温泉の水面。そして部屋に籠る洋輔。雰囲気ありげな情景に暗号が重なるシーンがしっかりと挟み込まれた後で、春藤と待ち合わせした洋輔は言う。
「これは知らない図形で知らない文字だ」「だから読めない」
なんという時間の無駄遣い!この後に続く目まぐるしい展開を知った後に振り返ってみると、この「読めないんかい!」に貴重な時間と美しい映像をたっぷりと費やす構成自体までもが可笑しく思えてくる。
3話の監督は近藤啓介。1993年生まれの若手映画監督だ。ドラマも多く経験していて、2024年には『飯を喰らひて華と告ぐ』(TOKYO MX)で脚本・監督を務めている。マンガ原作のドラマではあるが、この作品の「どこに行ってしまうのか想像もつかない」具合は、今回の3話と通じるものを感じる。
Edit_Yukiko Arai