一時K-POPブームという言葉があったけれど、今年に入ってからもBTS(防弾少年団)はアメリカ「ビルボード200」チャートで初登場1位を獲得するし、その人気は世界的に衰えることなく、ブームと思われていたものはひとつの音楽ジャンルとして確固たる地位とファンを確立してきているように思える2018年。
日本においても、ファッション雑誌にTWICEやBLACK PINKなど数々の人気グループが登場しているけれど、K-POPグループといっても実はその国籍は様々。TWICEに日本人メンバーが三人所属している他、BLACK PINKにもタイ人、ニュージーランドの国籍を持つメンバーが所属しているし、その他今年日本デビューを果たしたNCT127においては多国籍グループとして様々な国のメンバーが所属している。
今やK-POP=韓国人グループというわけではない模様。では単に韓国語で歌を歌えばK-POPなのか?外国人でもK-POPができる?そんな疑問から去年ある異色のグループが誕生した。それが全員外国人のK-POPグループ、EXP EDITIONだ。
ニューヨークで大学院に通う学生が論文を書くために結成されたEXP EDITIONは大きな反響を得て、なんと去年本当に韓国でK-POPグループとしてデビューを果たすこととなった。
ニューヨークでオーディションを勝ち抜き、アイドルとして他のK-POPグループと同様に活動を始めた彼らに話を聞いてみた。
──それぞれ自己紹介をお願いします。
Frankie: フランキーです。ポルトガル系アメリカ人で、ロードアイランド州出身です。グループのリーダーでメインボーカルを務めています。
Šime: こんにちは、シーメです。クロアチアで生まれ育ってアメリカで音楽を勉強しました。フランキーとメインボーカルを務めています。
Hunter: ハンターです。ニューヨーク出身で、チームでラップと低音のボーカルを担当しています。
Koki: チームの末っ子、コウキです。香港生まれの米国テキサス州で育ち。ニューヨークでは、ファッションモデル活動をしていました。チームでは、ラップとサブボーカルを務めていて、作詞、作曲、ギター演奏が好きです。
──K-POPアイドルとしてEXP EDITIONが結成されたきっかけは?
Koki: そもそもは、ニューヨークのコロンビア大学院の論文の研究として試験的に始まりました。ある学生の「韓国人が一人もいなくても、K-POPグループを作る事ができるか?」という疑問から始まったんです。それが大きな反響を読んで、まずニューヨークで活動をはじめました。昨年韓国で初めて出演番組を通じて、ようやくK-POPグループとしてスタートを切った感じがします。
── ニューヨークでK-POPの音楽に挑戦したいと考えたのはなぜですか?
Šime: K-POPは、まずとても新鮮でした。一般的なアメリカのポップスとはまったく違う。魅惑的で中毒性があり、音楽、ダンス、ファッション、映像が完全に溶けあって調和しているのを感じました。僕は様々な音楽に挑戦して、その音楽から深く学ぶことが好きなのですが、K-POPが特にそうでした。そんな中、僕自身がそのK-POPの世界のメンバーとして加われるチャンスがあって、これは諦めずに挑戦するしかないと思いました。
── アメリカではK-POPアイドルにどのような印象はありますか?
Frankie: アメリカではK-POPは急速に成長しています。最近では、BTSのようなアイドルグループが世界的に人気を博していますし、国内でも多くの人がK-POPに大きな関心を持っています。僕がK-POPに初めて接した時と同様に、アメリカでもK-POPを新鮮で中毒的でありながらも、技術的に完璧な境地に達したジャンルとして受け入れているように感じます。また、ダンスグループ好きにとって、K-POPアイドルは歌と踊りが完全に融合した舞台で楽しませてくれるものなんです。K-POPファン層コミュニティだけが持っている結束力も、アメリカでは非常に新鮮に映る部分のひとつでしょうね。
── 音楽市場においてK-POPは今どのような存在だと思いますか?
Frankie: より大きく、より良いものに進化し続ける音楽ジャンルだと思います。アーティストとファン層の両方の側面においてです。
── 韓国の音楽番組も独特の文化がありますよね。複数の音楽放送番組の収録をした感想を教えてください。
Šime: 僕の好きな音楽番組は、毎週多くの歌手が出演するMnetの「Mcountdown」。ハードな練習をしながら長い間デビューの準備をしているときから見ていた番組です。毎週放送を見ながら、いつかは僕たちもあの舞台に立つ事ができたら…と夢見てきたら、ついに成し遂げました!
Frankie: Mnetの「あなたの声が表示」が大好きです。なぜかというと、僕らのグループが初めてTVに出演した放送で、特別な思いがあるんです。このプログラムには、毎週新しい実力派シンガーが出るのでとても好きです。あとは、「Mcountdown」も!毎週様々なK-POPグループが素晴らしい舞台を披露しています。
koki : 「週刊アイドル」と「ラジオスター」という番組が一番好きです。「週刊アイドル」では、音楽番組の舞台では見られないK-POPスターひとりひとりのキャラクターを見ることができ、ファンはその魅力に簡単にイプドク(オタクに入門するの略)してしまいます! 「ラジオスター」は、トーク中心のプログラムなので、様々なゲストが面白い話も深刻な話も、時にはスキャンダラスな話もしていて、皆で楽しんで見るのにピッタリな番組ですし、僕自身も必ず見る番組です。
Hunter: 僕もMnetの「あなたの声が見える」が好きです。韓国語をよく聞き取れない時がありますが、それでも番組内での緊張と面白さは十分に感じられるんですよ。韓国には多くの音楽放送があって、必ず見るようにしています。いろんなグループのステージを見て、彼らのデビューステージも探して見たりもしています。とても楽しいです。
── 日本でのライブはいかがでしたか?(ファンの反応など)
Frankie: 僕たちはもともと東京のエネルギーとセンスが大好きで。東京で公演が決まったときは本当にうれしかったです。まだEXP EDITIONが日本にファンダムを持っていなくて、最初のショーケースは観客は少ない方でしたが、来てくださったすべての方々が本当に特別で、なにより僕達自身が多くのエネルギーを貰いました。実は僕たちの日本語がまだ初級レベルなので、ステージでのコメントが台無しになるかと思って心配も多かったんですが…温かい声援のおかげで本当にリラックスして楽しむことができました。舞台の後に観客と順番に写真を撮ったり、ハイタッチしたり、個別にコミュニケーションできる機会があったのですが、これは韓国にはない文化だったので本当に新鮮で良かったです。
現在も7月から1か月間、新大久保で公演をしています。長い滞在になるので、多くのファンに会えたら嬉しいです!
Šime: 多くの日本のファンに会いたいですし、ファンの前で素敵な公演をして、忘れられない思い出を作りたいです。
koki: 僕はテキサス州で育った日系人でもあるので、子供の頃から日本で仕事してみたかったんです。それがK-POPアーティストとしての公演になるとは本当に夢にも思いませんでしたが。今後、頻繁に日本を訪問することになると良いなと思います。
Hunter: 日本での初めてのショーケースは、本当に楽しかったです。東京は多様で活気に満ちた街。東京で出会った新しいファンは、本当に親切で愛らしい。前回は短いショーケースのスケジュールで残念でしたが、今回は1か月間の公演をすることになって本当に嬉しい。
── 今後の目標を教えてください。
Šime: 現在多くのスケジュールをこなしていますが、スタジオに戻って新たなアルバムを作成したい。そう遠くない未来に良いアルバムでみなさんにお会いできればと思っています。
Frankie: ワールドツアーが夢です。世界を旅して、僕らの音楽を共有して、世界中のファンたちに会うことができたらいいですね。夢は叶います。ファイティン!
Koki: より良いパフォーマンスをお見せするために、これまでも、これからも、練習して勉強していきます。作詞、作曲もほぼ毎日していますし、韓国語で歌詞をよく書いています。自分が作った音楽が人々に愛されれば、それだけで僕らにとっては大成功です。そして韓国語の実力を早く伸ばして、バラエティ番組に出てみたい。
Hunter: 今よりもっと成功し、韓国でも日本でも定着したグループになるといいですね。これからも良い音楽と良い舞台を披露し続けて、韓国語、日本語の勉強をもっと熱心に頑張りたいです。不可能ではありません。ファイティン!
【EXP EDITION 이엑스피 에디션 | ‘FEEL LIKE THIS’ MV】
8月10日まで日本で1か月間のツアー敢行中
公演情報:新大久保
SHOW BOX HP https://www.showbox.jp/schedule/