ギャラリストの仕事は、
アーティストとの交渉ばかりではない。
展覧会を成功させるための影の作業も大切だ。
そこから学ぶものも多いと思うけど、
うちの新人はそれが気にくわないみたい。
インビテーションの名簿づくりや、プレスリリース、美術書の整理など、地味だけど大切な作業を新人にお願いしてアーティストとの打ち合わせへ出た。ギャラリーに帰ってくると新人が「もっと私の実力に見合った仕事をふってください!」とお怒りモード。「お願いした作業は難しかった?」と聞くと、「このギャラリーに入って、誰でもできるような作業ばかり!もっとギャラリストとして、私のセンスと経験が生かせる業務がやりたいんです」って。「そっか。分かった。でもね、小さな仕事の積み重ねが大きな仕事の第一歩なんだよ」となだめると、返事もしないで自分の席に戻っていった。