普段は新聞や週刊誌で30・40代男性向けの記事を書いてるアラサーライターの僕が、なぜか突然GINZA注目のニュージェネレーションが案内するホットスポットに連れていかれてみるというこの連載。前回はまさかの上野広小路の大衆リサイクルショップで驚かされたけど、今回は渋谷の隠れ家系カレー店ということで、今っぽくてちょっと安心!?
アラサーライター(♂)が行く! 19歳モデル・関根なつみちゃんと渋谷の隠れ家「ケニックカレー」で待ち合わせ

◼︎慶應大学法学部に通う19歳のモデル・関根なつみちゃん登場!
待ち合わせ場所の渋谷・旧ドン・キホーテ前に現れたのは、アジアンビューティーなモデル・関根なつみちゃん(19歳)。すでに海外の様々な有名雑誌でフィーチャーされている人気モデルとのことで、10代とは思えぬ落ち着いた佇まい。雰囲気からして、アート系の学校で日々自分の世界観を追求しているのかと思いきや。
なつみ「慶應大学の法学部に通っています」
え、かしこ! 聞くと中学校から都内の御三家に通うエリート中のエリートでした。高校生からサロンモデルを始めたけど、学校が厳しくてファッション誌の撮影には行けなくて、その未練を爆発させるつもりで活動し始めたら、気付けば今の状況になったとか。
なつみ「インスタ経由でモデルのお仕事をいただけたりするのは時代のおかげです。大学に入った頃は、自分には商社や金融系に就職する道しかないと思っていました。まさかGINZAに出られるなんて…嬉しいです」
謙虚! それにしても、慶應ってもっと王道のCanCamやJJみたいな子が通っているんだと思ってました!(アラサー世代の偏見)
「学校にはそういう感じの子もいますけど、でも私は演劇サークルに入っているので、友達はちょっと変わった人が多いです。中高とダンスをやっていて、最初はダンスサークルに入ろうと思ってたんですけど、イケイケすぎて怖かったんで、演劇サークルに入りました(笑)。可愛いパンケーキとか大きいかき氷があるカフェより古い隠れ家的な喫茶店を好きな人が多くて、そういう場所を教えてもらえるのはいいなって思ってます」
ふむふむ。じゃー、今日はどんな隠れ家スポットに連れていってくれるの!?
◼︎案内されたのは、芸能系女子が集まる昼限定のカレー屋さん「ケニックカレー」!
「今日ご案内するのは、私が週一で通ってる『ケニックカレー』! 夜はバーになるお店の昼間の時間だけ営業してるカレー屋さんなんですけど、密かに通ってる女優さんやアーティスト、アイドルの常連さんが多いホットスポットなんです。実は私もモデルのうちだゆうほさんのtwitterを見て知りました」
と言って案内されたのは、雑居ビルの5階。これは知らなきゃ入らない…。普段は友達と来てるの?
「いえ、基本1人ですね。大人数で行動するのが得意じゃなくて…。けど、ケニックカレーさんは、店長のケニックさんが他のお客さんを紹介してくれたりもするんで、寂しくないです!」
え? 常連客同士の交流って夜のスナックで行われるものだと思ってたけど、若者の間では昼のカレー屋で行われるんですね。
「まだお酒飲めませんから(笑)。こないだも、SNS上でお互い存在は知ってたけど直接会ったことはなかった女優さんと、ここでご挨拶できました。ケニックさんが人脈すごいから、いろんな方を紹介してくださって、世界が広がるのもこのお店の魅力なんです」
twitterで隠れ家店を知ったり、SNSで元々知り合いだったり、なんか時代を感じます! ところで、さっきから出てくる「ケニックさん」って何者!?
ケニック「僕です」
と思ったところで、ちょうどケニックさんがカレーを運んできた! ……ケニックさん気になるけど、とりあえずカレーが気になる!! というか、これカレーなんですか?
ケニック「無水キーマカレーです。もともとは水入れてたんですけど、友達のアーティストのライブペインティング会場にケータリングを頼まれた時『こぼれない状態で出して』って言われて、水を入れないで作ってみたら好評で」
確かに美味しい…!! そして食べやすい! それにしても、豆腐のトッピングとか、レモン汁とか、タバスコとか、カレー屋で見ないものが多いですね。
なつみちゃんは、パクチーが山盛りにトッピングされたキーマカレーをチョイス!
ケニック「お客さんの女の子が『キーマカレーに豆腐乗せていい?』って言ってきて、やってみたら合ったんですよ。炭水化物を抜きたいモデルの子たちにも人気ですね。レモン汁とかタバスコとかも、お客さんに頼まれていつの間にか置くようになってました。僕、20年間カレー作り続けてるんですけど、特にちゃんと習ったことはなくて。Soup Stock Tokyoのスープの味を決めてる方とか、カレー協会の方とか、いろんな人がアドバイスをくれる度に取り入れて、出会いの中で生まれた偶然の味って感じなんですよ」
何でも煮込んで隠し味にしちゃう。見た目はあまりカレーっぽくないけど、幅広い意味ですごくカレーだ! ちなみに、ケニックさんがカレー屋を始めたのはこんな経緯。
ケニック「若い頃、従兄弟が経営していた小料理屋が潰れたんで、そこを借りて仲間たちとの溜まり場にして、僕がカレーを振舞い始めたんです。次第に『あいつが作るカレーが美味しいらしい』って噂になって、プロダクトデザイナーになった後もカレーのケータリングの依頼が来たりしていて。で、それならとカレー屋を出したところ、知り合いづてに業界関係者が集まり始めた。それで芸能系の女の子が来るようになったんですよね」
とても特殊! だが、店内にあるケニックさん作の食器たちがカレーの味をより美味しく感じさせてくれているのも確か。また、ケニックカレーが彼女たちに愛される理由をもうひとつ、なつみちゃんは知っていた。
なつみ「ケニックさんはいろんな女優さんやモデルさんを見てきたからこその厳しい意見を言ってくれるんで、すごく助かるんです。『売れてる人は連絡をちゃんとできる人』とか、礼儀的なことを特に教えてもらってて。悩みがあるときとかも、ケニックさんに相談するためにカレーを食べにきます」
意外とカタいアドバイス!! それにしても、なつみちゃんみたいに順調な人生を歩んでても悩みってあるんだね! ちなみに今も悩みってある?
なつみ「今はやっぱり二十歳になることが怖いですね。10代って『若っ!』って思ってもらえるから、それがブランドになってるっていうのは自分でも分かってて。それがなくなったとき、もし自分自身に何もないって思い知らされたら…って不安になります。この記事のタイトルにも『19歳』って入るんですよね?」
バレてた! でも、なつみちゃんなら大丈夫…ですよね? ケニックさん!
ケニック「なつみは他に代わりがいない存在だし、性格いいし頭もいい。推してるし、僕が推さなくても絶対もっと売れると思ってるよ!」
ほら!!
なつみ「そう言ってもらえるのは本当に嬉しいです…! でも、一生できる仕事ではないと分かってるんで、安易にその道に進むって決めないで、いろんな人と関わりながら、モデルを続けるのか、就職すべきなのか、慎重に選びたいと思います。来週も来るので、ケニックさん、これからもご指導お願いします!」
あくまで謙虚で冷静なのが現代っ子っぽい! スーパーモデルになっても、商社OLになっても、自信を持って世界で活躍してほしいと願ったアラサーでした。
ケニックさんとなつみちゃん。「ごちそうさまでした!」
関根なつみ / Natsumi Sekine
自分で写真を撮るのも好きだというなつみちゃん。フィルムで撮影したモノクロ写真は普段投稿しているinstagramとは別のアカウントにあげて使い分けているそう。チェック〜!
instagram @_n_a_t_s_u_m_i / @minpipism
渋谷区道玄坂2-25-7 プラザ道玄坂5F BAR FOXY
月火木金曜 11:30〜15:00
土日祝日 11:30〜16:00
定休日: 水曜日
※現在、「ケニックカレー」は新規店舗オープンのため、クラウドファウンディングで資金募集中!
https://camp-fire.jp/projects/view/30094
Text:Takeshi Koh
Photo: Kanna Takahashi