22時に開ける冷蔵庫は明日からの元気をくれる宝箱だ。ほんのちょっとしたご褒美が入っている。自分を励ますために、今日もまた扉を開ける。
🍴FOOD
シュワッときらめく「梨とローズマリーのソーダ漬け」
自分へのごほうびレシピ「22時の冷蔵庫」vol.69

梨とローズマリーのソーダ漬け
朝から天気予報を見て憂鬱になる日々が終わる気配を感じた。
昔は、最高気温が30度を超えるだけでも「うわ〜暑い日だ〜」とダレていたのに、この数年は35度を超えなければやっていける気がするから、慣れとは恐ろしいなと思う。
いくら慣れても暑いものは暑いので、早く涼しくなってくれと日々願っているのだけど。
涼しくなると外に出かける意欲が湧いてくる。
世界も自分も生まれ変わったようなワクワクが込み上げてきて、あれもこれもやりたくなってしまう。○○の秋とはこういうことかと身をもって体感する。
こんな時は、気分を上げてくれる爽快なものが欲しくなる。
小さな泡が踊りきらめく炭酸が、新たなスタートを彩ってくれる。

・梨…好きなだけ
・ローズマリー…1〜2本
・強炭酸水…梨が被る程度(お好みで甘さ付きのソーダでもOK)
梨の皮を剥いて一口大にカットする。
包丁を入れた瞬間にジュワッと水分が溢れてくるのがたまらない。
蓋付きの容器にローズマリーと一緒に入れたら、梨が被るくらいまで強炭酸水を注ぐ。
この状態でフルーツポンチのように食べてもおいしそうだが、グッと堪えて蓋をし、一晩寝かせたら完成。
食べてみると、ローズマリーの青々とした力強い香りと共に閉じ込められていた爽やかな刺激が口の中に広がる。
無心で頬張っていたら、あっという間に梨1個分がなくなっていた。まだすこし暑さの名残がある季節だけのお楽しみ。また梨を買ってこよう。
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Illustration_Natsuki Kurachi Text_Ryunosuke Nishimura