『チャチャ』(10月11日公開)は、まるでジェットコースターのようにスリリングな恋愛映画だ。主人公は、野良猫のように自由奔放に生きているチャチャ。偶然出会ったミステリアスな青年、樂(らく)に惹かれて自宅に転がり込むも、まるで手応えのない片思いに悩んだ末、さらに彼の恐るべき秘密を知ることに……。主演の伊藤万理華はこの役を演じた経験が、自分自身を認めることにもつながったと話す。どんな挑戦があったのか聞いた。
伊藤万理華にインタビュー。ビザールなラブストーリー『チャチャ』主演
周りと波長が合わない自分も愛する。「私みたいな子にはきっと救いになる映画」
——まず主人公チャチャを演じる中で、印象深かったことから教えてください。
自分なりにチャチャを落とし込んで現場に臨んだのですが、初日に酒井麻衣監督から「何かが違う」と指摘されました。その上で、「伊藤さんのままでやってください」と演技指導してくださって。“そのままの自分ってなんだろう?”と立ち止まる瞬間が多い撮影期間でした。自己表現は個展を通して何度もやってきたのに、お芝居となるとこんなに大変なんだと痛感しました。最終的には、“誰かと対話している時の自分って、どういう感じだろう?”と考えることがヒントになりました。監督と素直に話しながら、表情から声色まで徹底的に直していただき、過去のやり方を全て壊して演じたつもりです。私にとって必要な経験でした。
[衣裳クレジット] ジャケット¥82,500、スカート¥51,700、ブーツ¥74,800(すべてヨウヘイ オオノ)/チョーカー¥23,100(フミエタナカ|ドール)
Photo_Wataru Kitao Styling_Miri Wada Hair & Make-up_Yuka Toyama(mod’s hair) Text & Edit_Milli Kawaguchi