日本でも話題に上がることも多くなってきたサステイナブル(※持続可能なという意味)。私たちも傍観しているわけにはいきません。
大好きなファッションをいきなり全部サステイナブルなものに切り替えるのは、なかなか難しいですが、日々の生活で出来ることから始めようと決心しました。不要なものを削ぎ落としていくことでミニマルなライフスタイルにもなるし、一石二鳥です。まだまだ勉強中ですが、私が取り組んでいることを皆さんにシェアしたいと思います。前回の記事:vol.7 ドキュメンタリー作品で環境問題について学ぶ。
スタイリスト・木村舞子さんと一緒に、サステイナブルライフへの道!vol.8 菜食のススメ
スタイリスト・木村舞子さん
木村舞子的、サステイナブルライフへの3か条・不要な包装を断る
・プラスチック製品を極力避ける(プラスチック製品の中には健康に害があるものも!)
・より環境や身体に優しいものを選ぶ (切り替える)
Vol.8 菜食のススメ
環境問題に対して個々が出来ることとして、身の回りのプラスチック製品を減らしたり、買い物をする際に環境に優しいものや企業を選ぶなど色々ありますが、中でも一番大きな変化を起こせるのが“菜食になること”です。前回おすすめした映画「サステナビリティの秘密」でも詳しく説明されていますが、家畜が出すメタンガスや排泄物による汚染などが問題となっています。メタンガスは車や飛行機から排出される二酸化炭素より温室効果が高いのだそう。
さらに家畜を育てるには広大な土地と水が必要で、その餌の作物を育てるのにも土地と水が必要です。アマゾンなどではこの家畜のための土地の開墾で熱帯雨林の減少が大きな問題になっています。菜食になる人が増えれば、安さと効率を求めて生産過多になっている畜産業の規模を縮小することができるはずです。私はもともとベジタリアンではありませんが、この問題を知ってから少しずつ菜食にトライしてみようと思うようになりました。
私は乳糖不耐性があるので乳製品は元々避けていましたが、小さい頃からお肉を食べて育っているので最初は菜食になるのは無理だと思っていました。でも1週間くらいお肉を抜いていると次第に匂いがきつく感じるようになり、食べたいという欲求がなくなりました。外食の場合は口にできるものが若干限られるのでちょっと億劫に感じることもありますが。特に今は外出する機会も減ったので意外とできちゃうんですよね。
いきなり菜食になれと言われても、食生活を急に変えると健康面が心配な方もいると思います。そんな方には、アスリートの目線から、いかに菜食の方が優れているかということが語られているNetflixのドキュメンタリー「The Game Changers」をおすすめします。アスリート、というとお肉をしっかり食べて筋肉を付けているというイメージがありますが、このドキュメンタリーで紹介されている人たちはみんな菜食で、その多くはメリットを知ってから菜食に転向した人たちです。
菜食だとすぐに消化してお腹が空きそうな気がしてしまいますが、実は菜食の方がエネルギーが長持ちして持久力もつくのだそう。体の血や肉になるのはタンパク質だから、動物性のタンパク質を摂らなければいけないと考えがちですが、実は植物性タンパク質の方が、一緒にビタミンやミネラルなども摂ることができます。反対に動物性タンパク質には炎症を引き起こすものが含まれていて、特にヘム鉄などは心臓病のリスクを高めるそうです。このドキュメンタリーでは知らなかったことがたくさんあり、とても勉強になりました。 是非見ていただきたい作品です!ちなみに私の旦那さんは典型的なハンバーガー大好きアメリカ人なのですが、このドキュメンタリー作品を見せたら、なんと菜食にトライしてみると言い出しました…!
それまで毎朝卵を4つも食べていた人なのでびっくりです。長く続けられるか様子を見てみたいと思います(笑) 。あとは、私はこちらの「クレヨンハウス」から出ている本も参考にしました。菜食に関する基礎知識や簡単なレシピから、意外と知らない美味しい有機野菜の選び方なども紹介されています。
ではまず日々何を食べるか。和食は元々お肉を使わなくとも十分美味しい料理がたくさんあるのでそんなに難しいことではありません。米を基本にして野菜のおかずを中心に、豆類、特に豆腐や厚揚げなどはメインディッシュにしやすいです。もう少しお肉っぽいものが食べたい時は大豆ミートも活用します。
チャンクタイプに下味をつけて、衣をつけて揚げればとても美味しい唐揚げができますし、ミンチタイプを使うと挽肉の代わりとしてミートソースや麻婆豆腐などもできます。お肉を大豆ミートや豆類に切り替えるだけで、スーパーでお肉を買うと大体入っている発泡スチロールのトレーも無くなり、プラごみをまた一つ減らせるという良いこともありました。
旦那さんも菜食にトライし始めたので洋食もベジで作りますが、最近はヴィーガンレシピの種類も豊富ですし、オンラインのレシピも充実しているので、そんなに難しくありません。お肉を抜くと野菜などの素材の旨味がより感じられるようになるので、是非有機栽培や自然農法の美味しい野菜を使ってシンプルな野菜のグリルを試してみてください!
外食や市販のものだと見つけにくいのが乳製品が入っていないお菓子やデザート。乳製品も卵も無しで作るパンケーキや乳製品も砂糖も使わないアイスクリームもYoutubeのレシピや本を参考にすれば自家製することができます。
最近は少しずつ牛乳の代替え製品も増えてきたので、豆乳だけでなくアーモ ンドミルクやオーツミルクも買えるようになって嬉しいです。あと最近見つけたのが、「エイタブリッシュ」というカフェで売っているヴィーガンチーズとヴィーガンバター。これがすごく美味しいのです。 友達を家に呼ぶ時にこういったものを振る舞ったりするのですが、みんなとても気に入ってくれます。外国人のお友達によるとヨーロッパで売っているヴィーガンバターよりも遥かに美味しいそうです。
私が参考にしているレシピ本をいくつか紹介したいと思います。
健康や環境問題に対して菜食がいいからといって、食生活を大きく変えるのは簡単ではないかもしれません。でも私も実際にトライしてみたら体の調子もとても良く、今の食生活が気に入っています。いきなり全てを変えなくとも、週に1度お肉を食べない日を作ることから初めて、続けられそうならば少しづつトライしていけばよいと思います。大事なのは事実を知って、自分でより良い選択をすることだと思います。「買い物は投票」と言われているように、食べるものを選択することもその生産背景に票を投じることでもあります。少しずつでいいのでみなさんも是非トライしてみてください!
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木村 舞子
百々千晴氏に師事し、独立後は雑誌や女優のスタイリングを手がける。ベーシックアイテムを主軸としたスマートなスタイリングが得意。
Instagram: @maiko.mu