平成元年生まれのオタク女子4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つアラサー読者の日頃の悩みをズバっと解決。応募フォームに集まったお悩みに、メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで回答します。前回のお悩みはVol.21 実家暮らし、母との関係に悩んでいます
生理休暇、男性上司に話しづらい。みんなどうしてる?【劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 vol.22】

質問
今月の悪友:ハクさん
最近の「生理をオープンに話そう」というムーブメントはとても素晴らしいと思うのですが、それはそれとして自分の体のサイクルを他人に把握されることに大きな抵抗があり、生理休暇の取得ができません。
おじさまが多い私の会社は男性が8割を占め、同じ部署に女性はいません。業務内容の都合上、リモートワークもしづらいため、前回の緊急事態宣言が明けてからは毎日出社しています。また、社歴の浅い私は有給日数も少なく、生理が来そうになるたび、どうにかうまいこと休日に重なってくれないかと祈っています。
小さなストレスですが、毎月のことで、何十年もこれが続くのかと思うとうんざりしてしまいます。何かアドバイスなどいただけると幸いです。
劇団雌猫からのアドバイス
今月の回答者: もぐもぐさん、かんさん
かん 今回は相談者さんご指名のもぐもぐさんと、かんでお送りします!
もぐもぐ 企業のキャンペーンもあってか「生理について話すのは恥ずかしいことじゃない!」みたいな空気になってきた感じ、あるよね。2019年くらいからかな?それ自体はもいいことだと思うんだけど、個人的に生理のことをオープンに話すのに抵抗があるのはすごくわかる!!
かん 自分の身体のことを個人的にオープンに話すことと、社会全体でオープンに議論を進めることってかなり違うじゃない?そこがごっちゃになったまま問題にされることがあるよね。
もぐもぐ そうだよね。世の中の空気としては大事だけど、自分が周りの人に言うかどうかはケース・バイ・ケースで当然だと思う。
かん 社会全体で議論することで制度や商品が整っていくのは賛成だけど、私も相談者さんやもぐもぐさんと同じで、自分のことはあんまり言わない。
もぐもぐ 仲の良い友達との間で話題にするのと、会社でも気軽に言っていこうっていうのは全然違うしね。
かん 私はそもそも「生理休暇」っていう言葉自体に抵抗感がある。
もぐもぐ あ〜、妙に特別扱いされちゃってる感じ。
かん そう。名指しされることで、余計目立ってしまうというか。いじめられてる子に先生が優しくすることで余計にクラスからいじめられる、みたいな構図と似てるというか。勝手な妄想かもしれないけど、使いづらい制度名だなぁと思う。
もぐもぐ うんうん。女性上司だったらまた違うのかもしれないけど、男性上司には言いにくくてストレスになるのもわかるなぁ。
かん 逆に女性上司だと、その上司の生理が軽いと信じてもらえないっていう話も聞いたことあるよ。生理の辛さって、個人差がすごくあるから、逆にわかってもらえないっていう。
もぐもぐ そういうパターンも!自分がしんどくないからこそ「休むほどなの?」って思われちゃうってことか、なるほど……。かんはいつも生理がしんどそうなイメージあるけど、どう?
かん めちゃくちゃしんどいの。ひどい時は熱出て吐いちゃう。どうにかしたくて低用量ピルを飲んでたこともあったけど、高いし、毎日飲むの大変だしで、結局2年くらい前にやめちゃった。
もぐもぐ それは大変だ! しんどい時は、仕事も休む?
かん 新卒で入社したての頃はなかなか言いづらくてつらかったなぁ。今はめちゃくちゃ休むよ!年を重ねたおかげで、ふてぶてしくなった。
もぐもぐ ふてぶてしく(笑)。でもそれは大事! 新卒の頃は、やっぱり休みづらい空気だった?
かん うん。人事はきっと「法律で決まっている制度だし、休んでくれていいのに」って反論すると思うけど、実際の体感としてはやっぱり休みづらかった。ちゃんと会社の規定で有給になっている上で、同性で役職のある先輩とか影響力強い人が「生理休暇ガンガン使ってまーす」っていう環境じゃない限り、使えないなと思った。
もぐもぐ そうだよね、そういう雰囲気、下っ端からは作りづらいよね。
かん もぐもぐさんの会社も生理休暇ある?
もぐもぐ 私の会社は普通の有給休暇、生理休暇とまた別に男女問わず使える「傷病休暇」っていう制度があって、それがメインで使われている気がする。風邪ひいたとか通院とか、あとは子どもが熱出て看病する時も使えるやつ。「生理です!」って宣言しなくてもいい仕組みになってるんだと思う〜。
かん それ、めちゃくちゃ良いね!男性でもお腹弱い人とかいるもんね。当日急に休んでもOKっていう枠があるの、大事。
もぐもぐ なんかちょっと話変わるけど、私、産休・育休で1年くらい会社を休んだ時に「これ、子どもを生む女性だけじゃなくて、もっと気軽にみんなできればいいのにな〜」って思ったんだよね。いざ休業する前はやっぱり長く休むことに多少の罪悪感とか焦りみたいなものも正直あったんだけど。やっぱり半年とか1年とかまとめて休めるのって貴重で、目の前の仕事を消化するだけじゃなくて、自分のやりたいこと考えたり勉強したり、今までやってみたかったこと挑戦できたりしてすごくよかった! もちろん子どもがいると全部の時間を自由に使うのは難しいけどさ。
かん 留学とかも、会社勤めのままもっと気軽にできると良いよね。
もぐもぐ 例えば、大学教授だと「サバティカル」っていう研究休暇が数年おきに1年あるんだよね。これは休むってよりは、海外の大学で研究したり論文書いたりする時間だと思うけど、普通の社会人も「休む時はちゃんと休む」が働く前提になればいいのにな〜って。
かん こういうのって、法制度自体を変えるのは大変だから、まずは会社単位で事例を作っていくのが良さそう。労働組合があるところはそこに要望を出すとか。
もぐもぐ 実践的なアドバイス(笑)。でもそれこそ傷病休暇とかを人事部に提案してみても良いかもね。「生理休暇」じゃ人目もあって使いにくくて……って。
かん 人事部も、使われないから需要がないと思っている可能性すらあるもんね。使いにくいっていう状況をちゃんと知って欲しい。
もぐもぐ あと、本当に生理が重くてしんどかったら1回病院に行って欲しい!1回診ておいてもらえば精神的に少し安心できるかも。
かん 相談者さん「何十年もこれが続くのかと思うとうんざりする」って言ってるけど、本当に嫌なら転職するのもアリだよ!
もぐもぐ 福利厚生、会社によって全然違うもんね。外から判断するのは難しいかもしれないけど、ひとつの判断軸にしてみるのは良いと思う。
かん 相談者さんみたいな人が何十年も苦しむことがないように、その間に私たちが社会を変えるから!あと、もしかしたら他の部署の女性もつらい思いをしているかもしれないから、連帯するのもあり。ヒミツの連絡網を作ったり、掲示板に縦読みで書いたり…。
もぐもぐ ハート型に折った手紙を回そう(笑)。
かん 「ひとりのわがまま」ではなく「当事者みんなの困りごと」にするのは、気楽になるし良いと思う。
もぐもぐ いざ生理で休みたい時に生理かどうか推測させないために、普段から「今日体調悪いな〜」「ちょっとメンタルしんどいな〜」って思ったら気軽に休んでいくっていうストロングスタイルもおすすめ。まぁ私なんだけど……。
かん もぐもぐさんが休みまくってるおかげで休みやすい後輩、絶対いると思う。先輩がどれだけフリーダムに生きているかってすごく大事だよね。
もぐもぐ 会社によっては休む理由を根掘り葉掘り聞いてくるところもあると思うから必ずできるわけじゃないと思うけど。でも、本来はもっと気軽に休んでいいはずだからね!!毎月辛い思いをして鬱々とし続けるのはなんか悔しいし、制度を変えられないか様子をうかがったり、社内で仲間を見つけたりすると、戦闘意欲(?)が湧いてくるかもしれない。
かん 武闘派な回答ばかりだけど、参考になったかしら。みんなで一緒に、立ち向かっていこ!
☆次回もぐもぐ・ひらりさが登場します☆
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Illustration: Maiko Sugiyama Composition: Sae Ota Edit: Karin Ohira