年末年始の長い連休。せっかくだから“いいお休みを過ごせたな”と思えるアイディアが知りたいな。素敵なモノやコトに詳しいあの人の、休日の過ごし方をちょっとのぞき見。「22時の冷蔵庫」でお馴染み、西村隆ノ介さんの場合は?
西村隆ノ介さんが冬休みにしたいこと「漫画で心をあたためる」
忙しい中でゆったり心がぽっとする漫画
年末年始の長期休み。取引先も発注先もみんな等しくお休みになるので、よっぽどの重たいボール(課題)を持って年末を迎えない限り、しっかりと休日を満喫することができる。そんな時はいつも以上にオタ活が捗って仕方ない。
たくさんの推し先があるのだけれど、昔から変わらないのが漫画愛。紙が好きなのと、作家さんへの応援の気持ちを込めて、発売から一週間以内に新刊を書店で購入するようにしている。
そうしていると、いつの間にか本棚に入りきらないくらいの3000冊を超える漫画が並んでいた。我が家ではこたつを導入しているので、最高の漫喫のような空間が自宅に完成している。
毎週のように新刊が導入されていくので、読めずに積んでしまっているものを読みふけるのが年末年始の恒例行事。
多くの作品の世界の中をちょっとした旅行気分で行ったり来たり。その中でも、年末年始の忙しない時にこそ読みたくなる、ゆったりと心がぽっとする作品を紹介させてほしい(させてください)。
みつみちゃんが気付かせてくれる日々の宝物
『スキップとローファー』
高松美咲
地方から上京してきた女子高生のみつみちゃんが、そのまっすぐさ(鈍感さも持ち合わせて)で周囲の人との関係を築いていく様子を、親になったような気持ちで見守っていたくなる作品。
大きな事件などは起きないけど、日々の何かしらの摩擦ですり減る心をみつみちゃんが彼女らしさ全開でそっと優しく撫でてくれるはず。
立ち止まってもいいんだよと寄り添ってくれる
『しあわせは食べて寝て待て』
水凪トリ
病気が原因でフルタイムでバリバリ働くことができなくなってしまった麦巻さとこさん。週4回のパートでは生活はなかなか厳しく、婚活を勧められるけれど、安い団地に引越して一人で生活することを選ぶ。
そこで出会う大家さんや何かと気にかけてくれる青年。さらには教えてもらった薬膳料理。それらを通して少しずつ、さとこさんが自分自身のこと、周り人との距離感、食の大切さに気づいていく。
何かがダメになったからって、全部が終わりというわけじゃなく、ほんのすこし立ち止まってみたら?と勇気をくれる作品。
ほんっとうにオチがないけどそれがいい
『とくにある日々』
なか憲人
ああ…!こういうのある…!と日々見逃してしまいがちなもの、絶対ないけどなんかわかる…!といった日常を題材にした不思議系学園漫画。ギャグ漫画のようなオチが用意されているわけでもなく、基本的にはツッコミも不在(たまに先生がツッコむ)。
それでも読み進めるほど、その世界観に引き込まれてページをめくる手が止まらない作品。1話が数ページで終わるのもいい。
深く考察などしたくない、ゆるりと過ごしたい冬のお休みにこそ、こたつで暖まりながら読み耽りたい。
今年はさらにポケモンの新作ゲームもやりこみたい。バタバタとしていたので、全くストーリーを進められていないのだ。昔から大筋とは逸れた楽しみ方をしていることも原因になっている。
強さなどは関係なく好きなポケモンに名前をつけて愛でる習性がある。今作の最初にもらえる「ホゲータ」というとびきりキュートなポケモンにも「ホゲちゃん」という名前をつけ、進化させずに(進化先のネタバレを見ていないのでどうなるかわかっていない)レベルを上げ続けている。
人それぞれの楽しみ方ができるのが最高だ。ゲームに限らず、カード、グッズなどポケモンへの愛がとどまることを知らない。我ながらちょっとだけおそろしくなることがある。
なんだかこたつの中で忙しくなりそうな年末年始。動き回ることが日常なので、たまにはゆっくり携帯もオフにして過ごしたい。
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にしむー/西村 隆ノ介
フルーツサンド職人。フリーランスでスタイリング、間借りでのポップアップ、執筆、グラフィックデザイン、モデル活動、イベント企画など活動は多岐に渡る。
著書にginzamag.comGINZAでの連載をまとめた、GINZA特別編集「22時の冷蔵庫 小さな夜のおやつレシピ44」。
Youtube「にしむーの推し事部屋」運営中。