現在放送中のドラマ『時をかけるな、恋人たち』(フジテレビ系)では、未来から現世にかけてくる違法タイムトラベラーを取り締まるタイムパトロール隊員、天野りおんを演じている伊藤万理華さん。冷静沈着な役柄とは裏腹に、プライベートでは頭の中で「好きなもの」をブックマークし過ぎて今日もパンク寸前!伊藤さんが憧れるクリエイターのお部屋にお邪魔させていただく連載、第6回のゲストはスタイリストTEPPEIさんです。前回はこちら。
伊藤万理華「誰かのホーム・スイート・ホーム」 vol.06
TEPPEIさん(前編)
広告や雑誌、ランウェイ、アーティストのスタイリングなど多方面で活躍するスタイリストTEPPEIさんがファッションに目覚めたのは小学校5年生。90年代の東京ファッションに強い影響を受けながら、その後も服への情熱は冷めるどころか高まるばかり。服飾の専門学校を優秀な成績で卒業後、原宿にある伝説の古着屋「DOG」スタッフ時代は、ファッションアイコンとしてストリートスナップ誌の表紙を飾ってきました。自他ともに認めるファッション狂のTEPPEIさんは、昨年出版された伊藤万理華さんの書籍 『LIKEA』にて、伊藤さんと初のコラボが実現。まるで映画の撮影のような体感だったと2人が振り返る、濃厚なファッションシューティングの裏側とは?
伊藤万理華(以下、伊藤) 『LIKEA』が完成した後、TEPPEIさんとゆっくり話す機会を探していたんですけど、なかなかタイミングが合わなくて。今回実現できたのでめちゃくちゃ嬉しいです。というわけで、お邪魔します!
TEPPEI はーい。家の取材だと思うんですけど、見ての通り服ばっかりなんですよね。
伊藤 この棚にもTシャツがぎっしりですね!お家に一体どのくらい洋服があるんですか?
TEPPEI 今数えてみたら、服が入っている部屋は全部で6部屋ありました。現在進行形のワークで集めた服をスタイリングするアトリエ、私服が集結したワードローブルーム、書斎、アーカイブ中心の部屋、屋根裏の倉庫、リビングのTシャツのみを大量に貯蔵している食器棚。クローゼットの中もほぼ全部服で…。
伊藤 もう数えきれないですね。だいたいいつ頃からのストックになるんですか?
TEPPEI 20代の初めからでしょうか。書籍の撮影でも、僕が専門学校の卒業制作で使った帽子を屋根裏部屋から引っ張り出して、スタイリングに取り入れたりしたよね。
伊藤 はい、よく覚えています!この屋根裏部屋に入らせていただくのも実は2回目です。
TEPPEI ここには、仕事には使わないけど、大切に持っていたいアイテムを保管しています。
伊藤 靴も一つひとつきれいにラップしてありますね。
TEPPEI 書籍の撮影したのは去年の春だったかな。
伊藤 はい。TEPPEIさんとのファッションシューティングは、書籍の構想段階からメインにしたかった企画で、いくつかあるコンテンツのうち、撮影の順番も一番最初でした。まだページ数も決めないまま撮り始めて、スタイリングも現場で決まっていくという、実験的な手法でした。
TEPPEI 僕が用意した服と、万理華さんの私服と、大量の服をスタジオに持ち込みました。そこから40ルックすべて即興でスタイリングを組んで、その都度ヘアメイクも決めていきましたね。印象に残っている服はある?
伊藤 表紙のルックは、とても印象に残っています。
TEPPEI 黒のアウターは、パリで初コレクションを披露した〈アンダーカバー〉のコレクションピースです。〈セックス〉のボンテージ、〈セディショナリーズ〉のTシャツは、高橋盾さんが若かりし頃に着ていたパンクアイテムをOKAMOTO’Sのオカモトレイジ君が譲り受けたもの。ちょうど撮影の時期に、映画で万理華さんの相手役を演じていたし、僕を紹介してくれたキーパーソンなので、レイジ君の私物を取り入れることにはちゃんと意味があって。
Photo_Harumi Obama Text_Satoko Muroga Title logo_Marika Ito