大胆にリノベーションを施したり、所狭しとお気に入りの雑貨を並べたり…自分の“好き”に忠実な人の部屋をスナップ。隅々までアイデアにあふれた実例を、これからのインテリアの参考に。短期連載 #十人十色のマイルーム
昭和期の一軒家をDIYでレトロモダンの空間に。イラストレーター・Eri Madogiwaのお部屋
十人十色のマイルーム vol.1
イラストレーター
Eri Madogiwa
昭和期の一軒家をDIYで
レトロモダンの空間に
築45年の2階建て一軒家に引っ越して1年半あまりの間、夫と共に計画、DIYしてきた思い入れのあるインテリア。住宅密集地ゆえに採光に難があったが、1階の天井を一部抜いて吹き抜け空間を作り、庭側の部屋の床面を床下レベルまで下げて白い角タイルを貼りめぐらし、床暖房を入れたサンルーム風リビングをしつらえたことで室内が明るくなった。
「茶色い木の壁を自分で白く塗装したら思いのほか退屈になってしまって。夫の意見に従ってゴールドにしたら意外とギラつかずになじみました。ほっこりした民藝調ではなく、アール・デコやモダンな雰囲気を取り入れたくて、イタリアの家具やタイル、黒格子などシャープで硬質なものを合わせるようにしています」
2階の6畳二間続きは建具や天井を抜いて一つの空間にし、黒い合板の床にしてMadogiwaさんの仕事場に。吹き抜けを見下ろす腰壁は乳白色のアクリル板で弧を描くのが斬新!これも外光を室内に行き渡らせるためだとか。
さらに1階には、特殊な手法で制作された、模造大理石のキッチンカウンターが異彩を放っている。
木、アクリル、陶タイル、模造大理石……昭和の住宅を舞台にした、素材と色の実験のような家づくりは発展途上で、DIYの楽しみはまだまだ続くそうだ。
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Eri Madogiwa
まどぎわ・えり>> 日常に見出される美をイラストや写真で、抽象的で非現実的なシーンとして表現する。展覧会、雑誌、広告などで作品を発表。
Photo_Yuri Manabe Text_Mari Matsubara