2025年8月28日（木）〜31日（日）まで、青山の「スパイラルガーデン／Spiral Garden」で、畳文化を多角的に再解釈する大規模な展覧会『いま、畳を語るとき ─ The Evolving Tatami: A New Perspective』が開催。
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青山で“畳文化”を多角的に再解釈する展覧会が開催
い草を使ったワークショップや作品を通して新感覚の体験を
2023年に立ち上がった、日本の新しい素材文化を考える「コモスプロジェクト」。第一弾として始動したのは、「い草や畳というかけがえのない伝統的な素材の文化の発信」。これまでの日本の生活様式や産業構造を発展させ、次世代へ繋いでいくプラットフォームとして、い草や畳の価値を問い、新しい活用方法を導くことを目的に活動している。
その「コモスプロジェクト」が、青山の「スパイラルガーデン」で、初めて大規模な展覧会「『いま、畳を語るとき』 The Evolving Tatami: A New Perspective」を開催する。
身近でありながらも、その歴史や構成する素材、手仕事や工程など、あまり知られていない“畳”という存在。本展では、つくり手たちの知恵と工夫が凝らされた作品やアイデアを通して、畳の現在地を紹介していく。
会場は、4つのコンテンツで区切られている。まず、畳の歴史や製法、素材など、基礎知識を深める「エデュケーションエリア」。次に、吹き抜けのアトリウムに広がる32畳を敷き詰めた「五感で楽しむ畳インスタレーション」。そして、「デザイン×職人のプロダクト展示」が大階段に出現する。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
横山 充（畳職人）[YOKOYAMA TATAMI Mitsuru Yokoyama]
伝統的な日本建築での用途にとどまらず、現代アートやデザインプロジェクトでも畳を展開している一級畳製作技能士。これまでに、多様な個人住宅や商業施設のインテリアプロジェクト、国内外の建築家やデザイナーとのモダンなコラボレーションにも携わっている。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
MAE ENGELGEER（オランダ）[IshokuTatami Panel]
オランダ出身のテキスタイルデザイナー。アムステルダムでキャリアをスタートし、現在は日本・京都を拠点に活動している。2004年に「アムステルダム・ファッション・インスティテュート」でテキスタイルデザインの学士号を取得。その後、「サンドベルグ・インスティテュート」で応用芸術の修士課程を修了。2013年以降、独自の感性とシグネチャーを世界に向けて発信し続けている。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
LOMA（フランス）[OKA Tatami]
ニコラ・オメとヨハン・ブルネルによって2020年に設立された、パリとブリュッセルで活動するデザインスタジオ。人間関係がデザインの中心であるべきという共通の理念を掲げ、プロジェクトを展開している。建築、家具、空間デザインの分野を横断し、設計と製作の両面に直接関与することで、アイデアと実装のバランスを重視している。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
Maison-N（フランス&日本）[MOKO -Tatami Stool]
実用性がありながら繊細なデザインを駆使したオブジェや家具をデザイン。パリと京都で生まれた製品は、調和のとれたライン、上質な素材、そして知的な使い方を表現。多文化で多用途、そしてサステナブルなライフスタイルを体現している。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
STUDIO THE BLUE BOY（デザインスタジオ）[Wavy Tatami]
2018年、アートディレクター正田啓介によって設立されたインテリアブランド。ラグを中心に、畳、お香、クッション、ブランケットなど、多彩なプロダクトを展開している。日本各地の職人技術と“メイド・イン・ジャパン”にこだわり、自身のルーツを反映したラインナップを発表している。代表作は、扇や日の丸、枯山水など日本文化をモチーフにした[Wavy Gradient Rug]。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
Keita Shimizu（デザイナー）[IGSA series]
ミラノ在住時に「本物の畳の魅力を、その使い方と合わせて海外に伝えたい」と思い立った本作。同素材で作られた面に足を乗せ、座り、背中をつけ、物を置く、という畳文化を5つの西洋家具の様式に落とし込んだインテリア。美しく染色された花ござとメタルフレームを組み合わせたたたずまいは、ミラノサローネで注目を浴びたほか、日本では「グッドデザイン賞」に輝いた。
【デザイン×職人のプロダクト展示】
Tokyo Product（デザインスタジオ）[IGUSA ROPE CHAIR]
アートディレクターの幸田好明が設立したデザインスタジオは、畳約12畳分を使用した世界初のチェア[IGUSA ROPE CHAIR]を出展。熊本県産イグサを縄状に加工し、岡山県の職人が手編みで仕上げたシートで覆った表面は、ユニークな表情を生む。
そして、「ワークショップ＆ギャラリーツアー」も見逃せない。「櫻井焙茶研究所」による茶会や、「井上産業」の縄編み体験、「itiiti」のアクセサリー作りに挑戦できる。
【ワークショップ&ギャラリーツアー】
8月29日（金）14:00〜16:00
い草茶会『花下草上』 亭主・櫻井真也「櫻井焙茶研究所」
日本茶の新しい愉しみを研究し、創造する日本茶専門店「櫻井焙茶研究所」。本展では、畳空間で行う新しい茶体験を通して、現代のライフスタイルと結びつけた時間を提供する。
【ワークショップ&ギャラリーツアー】
8月30日（土）・31日（日）各日13:00〜
キッズい草縄ワークショップ by 井上産業
い草縄づくりを唯一継承する八代の工房「井上産業」の井上さんを迎えて、昔ながらの手法で細縄を編む体験ができる。
【ワークショップ&ギャラリーツアー】
8月30日（土）・31日（日）各日15:00〜
い草アクセサリーワークショップ by itiiti
い草の端材を使った、アクセサリー作り。素材の風合いとい草特有の軽やかさを活かしながら、手を動かすことで生まれる色の組み合わせや形を楽しめる。
心地よいい草の香りに包まれたスペシャルな4日間。身近な素材だからこそ、日本の暮らしを支えてきた“畳”の可能性を知りたい。
ℹ️
「『いま、畳を語るとき』 The Evolving Tatami: A New Perspective」
会期＿2025年8月28日（木）〜8月31日（日）
時間＿11:00〜19:00＊初日12:00～16:00／最終日18:00まで。
会場＿Spiral Garden
住所＿東京都港区南青山5-6-23 Spiral 1F
入場＿無料
【ワークショップ&ギャラリーツアー】
い草茶会『花下草上』 by「櫻井焙茶研究所」
日程＿8月29日（金）
時間＿14:00〜16:00
キッズい草縄ワークショップ by 井上産業
日程＿8月30日（土）・31日（日）
時間＿13:00〜
い草アクセサリーワークショップ by itiiti
日程＿8月30日（土）・31日（日）
時間＿15:00〜
＊ワークショップ予約
https://peatix.com/group/16487816
COMMOS PROJECTメンバーによるギャラリーツアー
日程＿8月29日（金）〜8月31日（日）
時間＿11:00／17:00
＊予約不要 先着10名
Text_Nico Araki
