その街に根ざした建物、壁、床、そして差し込む光。一見違うようだけれど、世界中のレディの部屋は「好きなものに囲まれて暮らしたい!」という等身大なリアリティであふれている。彼女たちの美意識が詰まったインテリアを覗いてみよう。
世界のレディの部屋vol.5 インテリアの主役は本とCDが詰まった本棚。パリ在住DJ
イネス・メリア
DJ、アーティスト
パリ
イネスが夫と住むアパルトマンは、パリでいま一番注目を集めている10区に位置する。アート、映画や音楽が好きな彼女らしく、ミニマルとは無縁の心地よい雑然とした空間。「引っ越すときに唯一何か持っていけると言われたら迷わずCDの棚を選ぶわ!実際に物質として所有したいから、これが一番のお気に入りね」と言う通り、本やCDがインテリアの主役になっている。それに最近ポール・スミスのお店で個展を開いたばかりのアーティストとしての側面ももつイネスらしく、アート作品にも囲まれた居心地のいい家。
子どもの時に習っていた絵の先生の作品。彼女の原点とも言える大切な宝物。
リビングのソファスペース。奥の絵画2点はイネス自身の作品。ロッシュボボアの白いソファにマルセル・ブロイヤーのローテーブル。奥の白いトランザットはモロッコで買った70年代のヴィンテージ家具。カラフルな絨毯は実は厚手の毛布、リスボン旅行中にアヴィダで購入したもの。
サイドボードの上には好きな写真集、レコードなどを飾る。ドライフラワーは最近パリで流行っている。
基本的に白いインテリアが好き。そこに少しだけ差し色を足していくの」。だからダイニングテーブルも白。本棚は部屋の中で重要な位置を占めている。
「メンフィスのムーブメントにはすごく影響を受けているわ」。パリのイヴォン・ランベールというギャラリーの本屋さんでこのカラフルなナタリー・デュ・パスキエの花瓶を購入したばかり。
ペリカンのランプはフェラーリのヴィンテージで子ども用。写真は友人のアーティストAlon Shastelの作品。
〈Buly〉をはじめいろんなブランドのアロマキャンドルも愛用して香りを楽しんでいる。
暖炉の前のフェイクキャンドルは夜にほのかな明かりをもたらし、雰囲気を盛り上げてくれる。
Inès Mélia>>ファッションのパーティなどのDJで活躍する傍ら、最近ではアーティストとしての個展も行っている。
PHOTO: Ayumi Shino TEXT: Noriko Ishizaka