2024年1月10日(水)発売のSixTONESニューアルバム「THE VIBES」。音楽とファッションが密接に繋がった彼らの表現を考えてみる。
SixTONES「THE VIBES」でファッション考
ヒップホップ色強まった新アルバムの衣装は?
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アイドルにはそこまで興味がなかったけれど、最近ハマったグループがある。SixTONESだ。強く美しく重なる6つの歌声に、日本人離れしたラップとダンスパフォーマンス。(そしてYouTubeチャンネルでの、仲睦まじい"男子"感!)ファッション面でも、6人それぞれの個性を活かした装いについ見入ってしまうのだ。
ドラマ『だが、情熱はある』主題歌にもなったヒット曲「こっから」MVでは、タイダイやヴィヴィッドカラーを大胆に取り入れて躍動感あるパフォーマンスを披露。と思えば、ドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』主題歌「CREAK」では一変、ミステリアスなダンスチューンを体現するかのように、全員がオールブラックで登場。とはいえジャケットのサイジングなどは個々で異なり、6通りの装いを見せていた。
そして2024年1月10日(水)、上記2曲も収録した待望の4thアルバムが発売。「THE VIBES」というタイトルからも、すでに横ノリムードが溢れている。では衣装はどんなバイブスだろうかとジャケ写を見てみると、90年代風ストリートスタイルをベースに、メンバーそれぞれが思い思いの着こなし。アイドルグループなのに6人が6人色もアイテムもバラバラ、でもどこか統一感があるのが、また彼ららしい。ビジュアル全般に使われているこの衣装は、アルバムリード曲「アンセム」のMVで着用されているものだ。MVの世界観は、アメリカのハイスクール風。"ちょっとワルい"6人組が校内を歌い巡り、体育館では観客を巻き込み「Put your hands up !」と呼びかける。
そうしたヒップホップなアティチュードは、衣装にもたっぷり表れている。クルーの格好を見ると、まず浮かぶキーワードは「オーバーサイズ」と「バスケットファッション」。バッドボーイ風スタイルを、レトロにはせず斬新に表現している。たとえば、ジェシーが赤とネイビーのフード付きスタジャンに合わせているのは、同じく赤色のヴェルヴェットパンツ。全体的にルーズなシルエットを長身で品よく着こなすのがさすが。同じ極太ボトムでも、京本大我の場合はよりアスレジャー寄りのメッシュ素材。トップを黒のブルゾンとローゲージニットのレイヤードでまとめ、カジュアルな中にセクシーが香る。バスケットユニフォームを思わせるトップを着るのは松村北斗。ジッパー付きパンツの癖の強さに、ナンバートップ(と本人)の爽やかさが絶妙に噛み合っている。髙地優吾は、軽やかなナイロンブルゾンに重みのあるレザーボトムを合わせ、対照的な二素材を抽象柄のインナーでつなげた。目力ある顔立ちに、ヘッドバンドもよく似合う。レザーをジャケットで取り入れた森本慎太郎は、ラインジャージと耳付きニット帽で遊び心を散らしている。渋いようでいてちゃめっ気があるのが彼らしい。田中樹のコーディネートは一見いちばんシンプルで、ジャージをラフに羽織りながら色味は黒白で統一。けれど胸元はゴールドアクセサリーでしっかりブリンブリンなのだ。
「アンセム」MV前半では、スクールテイストを着崩したスタイリングも披露。ニットカーディガンやチェックパンツといったスタンダードな要素が、「ちょっとワル」な演出とは別の、純で柔らかな面を見せてくれる。
アルバム「THE VIBES」は初回盤A、初回盤B、通常盤(初回仕様あり)の3形態でリリースされる。全形態共通で「アンセム」のほか「こっから」や「ABARERO」、「CREAK」の12曲、それに加え各形態にボーナストラックを収録。この一枚にさまざまな"グッド・バイブス"が詰まっている。そこからファッションヒントを拾うのも、また楽しい。
Text_Motoko KUROKI