7月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。
G’s ART REVIEW 自然と通底する抽象のフォルムが生み出す世界『イサム・ノグチ 発見の道』etc.
『アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力 —世界の女性アーティスト16人』
カルメン・ヘレラ [ディプティク]1978
所蔵: エル・ムセオ・デル・バリオ(ニューヨーク) トニー・ベチャラ寄贈
出展アーティスト全員が70代以上(71歳から105歳!)、50年以上のキャリアを誇る女性アーティスト16名に注目した展覧会。彼女たちの出身地は14カ国におよび、活動拠点も多岐にわたる。それぞれが置かれた環境や時代が激しく変化するなか、独自の創作活動を続けてきた。ジェンダーやダイバーシティを重視する動きが世界に広がっている現在、信念を貫いてきたアーティストたちの作品130点に秘められた「アナザーエナジー」は、私たちに力を与えてくれることだろう。
【アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力
—世界の女性アーティスト16人】
『空間の中のフォルム —アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで』
アルベルト・ジャコメッティ [裸婦小立像]
1946年頃 石膏、彩色 神奈川県立近代美術館蔵
空間の中の多様なフォルムを追求し続けてきた現代の彫刻家たち。今年開館70周年を迎える神奈川県立近代美術館は、開館以来、同時代の彫刻・立体作品を積極的に収集、展示、保存してきた。その70年の歩みを記念する本展は、同館を代表するコレクション約90点を、9つのテーマにより紹介する。アルベルト・ジャコメッティ、桑山忠明、最上壽之のほか、小杉武久など新規に収蔵された名品も。同館は、庭園からのぞむ海の景色も素敵。贅沢な空間体験をしてみては?
【空間の中のフォルム
—アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで】
[あかり]インスタレーション(イメージ) 撮影: 齋藤さだむ
広島のモニュメントから、照明[あかり]といったプロダクトまで、多岐にわたる活動で知られる巨匠イサム・ノグチ。日本人を父に、米国人を母に生まれた彼は、東西の間でアイデンティティの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てた。初期から晩年までの名品が並ぶ本展のなかでも、拠点としていた香川県牟礼町の石を使った作品は圧巻だ。石の声が聞こえる、とまで語ったノグチ。自然と通底する抽象のフォルムが生み出す世界を、心ゆくまで堪能したい。
【イサム・ノグチ 発見の道】
*展示期間、内容などは諸事情により変更する場合があります。詳細は各展公式サイトをご参照ください。
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Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者。今回は、彫刻の展示を2つ紹介。彫刻こそ、周囲の空間とともに味わってほしい。