静岡県三島市を拠点に発信しつづける小さな光。ZINE「CRY IN PUBLIC」── Magazine isn’t dead Vol.1

静岡県三島市を拠点に発信しつづける小さな光。ZINE「CRY IN PUBLIC」── Magazine isn’t dead Vol.1

独断と偏見で選ぶ国内外のマニアックな雑誌に特化したオンラインストア「Magazine isn’t dead. 」を主宰する高山かおりさん。世界中で見つけた雑誌やZINEから、毎月お気に入りの1冊を紹介します。


今回紹介するZINE『CRY IN PUBLIC』は、タイトル通り“本”という公共の場で思い思いに発信するという寄稿で紡がれるスタイルだ。今号 #05 では“YOUTH”をテーマに14名が、若かりし頃の思い出と合わせて映画・音楽・本をレビューしてくれる。その14名は誤解を恐れずに言えば、なんの肩書きもない無名の人たちだ。公表はしていないが、年齢幅も恐らく広いだろう。21歳の、まさにYOUTHど真ん中世代もいる。

タイトルの『CRY IN PUBLIC』とは、“公共の場で叫べ”の意。これは、「Kill Rock Stars」というレーベルから最初に出されたレコードのスリーブにはさまれたマニフェストから取られている(CRY IN PUBLIC NEWS LETTERより抜粋)。

また、静岡県三島市で同名のオルタナティブ・スペースも運営しており、“Our Table”と題してZINEをシェアする会(なんと61回も続いている!)や読書会やみんなでご飯を食べる会などゆるく小さなコミュニティづくりもしている。

今年7月に刊行され話題を呼んでいる『ヒロインズ』(ケイト・ザンブレノ著・西山敦子訳)を読んだ読者もいるかもしれない。本書もこのスペースを拠点とする翻訳・出版プロジェクト、C.I.P Booksから刊行された第一弾の書籍だ。

近年の情報社会の発達で、情報を取得することに疲弊していないだろうか。“答え”までの最短距離がほしいから情報を求める。でも、そうではない時間があってもいいと思う。

このZINEは、まるでTwitterを眺めるように多種多様な価値観に出合える。Twitterとの違いは、自分がフォローしている(その時点で自分の興味で選りすぐっている)人以外の全然知らない人たちの声に耳を傾けることができること。何かを探す目的ではなく、ただ眺めるように文字を追いかける時間。そこに即効性はないと思う。でも、ふと目に留まるものが自分の中の忘れていた記憶や感情と結びついてじわじわと何かに繋がるかもしれない面白さがある。

ここで、私がハッとさせられた文章を一つ抜粋させてほしい。

「今気付いたのだけれど、『Youth』という言葉の中には[out]が閉じ込められている。そう、そうだ。私にとって、Youthはこれだ。守られた日々の中で、いつも自分の居場所を求めていた。誰にも何も届かないような気がしていた。」

ここには続きがあり映画のレビューにつながるのだが、少なくとも私にはあなたが綴った思いは届いているよ、と伝えたい。

三島を拠点に発信しつづける小さな小さな光。届くべきところにその光は到達してほしいと思うし、そのときに何らかの変化が起こるかもしれない。

 

ZINE『CRY IN PUBLIC』はこちらで販売しています。

 

この連載では、ginzamag.com読者の手作りZINEを募集しています。決まりがなく、自分を自由に表現できるのがZINEの魅力。オンラインストア「Magazine isn’t dead. 」の高山かおりさんに、自分のZINEを見てほしい!という読者のみなさま。ぜひGINZA編集部まで送ってくださいね。

郵送先 問い合わせ先
〒150-0001 東京都中央区銀座3-13-10 マガジンハウス
GINZA編集部 「Magazine isn’t dead. 」宛
ginzamag@magazine.co.jp


※ZINEと一緒に住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレスを明記した紙を同封してください。
※ご送付頂いた作品はご返却できません。ご了承ください。
※個人情報は、この企画のために使用し、その他の目的では利用いたしません。
※個人情報の管理については、GIZNA編集部が責任を負い、これを厳重に保管・管理いたします。

高山かおり Kaori Takayama

独断と偏見で選ぶ国内外のマニアックな雑誌に特化したオンラインストア「Magazine isn’t dead. 」主宰。本業は、東京と甲府の2拠点で活動する編集アシスタント。北海道生まれ。セレクトショップ「aquagirl」で5年間販売員として勤務後、都内書店へ転職し6年間雑誌担当を務める。4歳からの雑誌好きで、国内外の雑誌やZINEなどのあらゆる紙ものをディグるのがライフワーク。旅好きでもあり、国内の地方都市には北から南まで攻めまくり、膨大なおすすめ場所リストを保有。最近一番衝撃を受けたZINEは、『虚報タイムス』。

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