【TOP画像】「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」360°VRより
2020年、コロナ禍にありながら異例の人気を博した「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展(会場:東京都現代美術館)。それが、360°VRとなって帰ってきた。会場の様子だけでなく流れていた音まで再現し、ズーム機能も備えた、もりだくさんの内容となっている(2022年3月31日まで期間限定無料公開)。
2020年、コロナの影響が本格化してから、国内外では360°VRで展覧会やコレクションをウェブサイトで公開する動きが一気に広まった。フランスのルーブル美術館をはじめ、オランダのマウリッツハイス美術館やアムステルダム国立美術館では、フェルメールの作品を高精細画像で見られるようにし、メトロポリタン美術館が「あつ森」とコラボしたことは当時話題になった。こんなふうに、仮想空間へアートピースが流れ出したのだ。
では、360°VRで見る「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」は、どんなものだろう?私は昨年この展示に足を運んだひとり。その体験と比較しながら見てみた。
最初の大きな部屋は、初期の広告やプロダクトデザインを中心とした作品がずらりと並ぶ。鑑賞者は、これぞというものを見つけたらズームアップして見ることもできる。ポスターやスケッチは点数も多いし、一つひとつが小さかったりするので、一点ずつ寄ってじっくり見ることができるのは、360°VRの良いところだと思う。