02 Jun 2018
枝比呂子さん「はじまりは、ひと目惚れ」

想いのつまった指輪だからこそ、普段使いを。
「完全に私の一目惚れ。『なんて素敵な人なんだろう♡』って」。友人の紹介で訪れたヘアサロンで出会った美容師のご主人との初対面をそう語る枝さん。結婚して4年近くたつ今でも「髪を切っている彼の横顔を見るとカッコいいなって思います」と幸せそう。
「でも最初は戦略が必要だったんですよ。2年くらいはただのお客さんという関係で、彼をどうやってお店から連れ出すか、ばかり考えてて(笑)。会話からリサーチしたところ趣味がランニングと分かって、当時担当していたスポーツメーカーの話題を切り口に、まずは一緒に走る仲までこぎつけました。それから家が比較的近かったので、走るコースに私の家の前の道を組み込んで、『ここ家なんだ』って自然に伝えて。シャイなタイプだったので、自分の気持ちだけで先走らず、じっくり時間をかけて距離を縮めていくことに徹しましたね」
さすがはマーケティングのプロ。そして好きとなったら一直線型の女子にとっては、耳が痛い話でもある…!過去の経験から、自分の想いをきちんと伝えることの大事さを痛感していた、と枝さん。告白は「2人の想いのレベルが同じまできたな」と感じた頃に枝さんから。プロポーズも自ら切り出した。
「結婚のタイミングに関しては、彼のお母さんが病気になってしまい、彼女を安心させたかったっていうのもあって。ばたばたと決まったので、籍だけ入れて指輪は作らなかったんです。その後義母は残念ながら亡くなってしまったのですが、落ち着いた頃にそろそろ、となり私がPRをしている〈ハム〉のブライダルリングをカスタマイズしたのがマリッジリング。普段のスタイルに合わせて、一般的な女性用のものよりも太めに仕上げてもらいました。その1年後、義母の形見分けでいただいた婚約指輪を、同じく〈ハム〉でリモデルし、エンゲージリングになりました」
結婚前も、結婚後もほとんどケンカはしないという仲良し夫婦。その秘訣は「相手に期待しないこと」。
「メールの返信が遅くても気にしないし、家事だって基本全部自分でやるつもり。そうすると、してもらったときの喜びが大きいし、むこうも手伝ってくれるようになりますから。 何かしてもらうのが当たり前にならないことが大切だと思います」
〈hum〉のマリッジリングはミルグレインの入ったタイプで、ご主人のものと同じ太さに。エンゲージリングは義母から引き継いだブリリアントカットのダイヤに対して爪を横にあしらい、オーダーメイドの地金と合わせた。
枝さんに5つの質問
── Q1. 付き合った期間は?
2年くらい。
── Q2. プロポーズのシチュエーションは?
自分から「私たち、結婚した方がいいと思う」。
── Q3. 家族構成は?
ご主人と3歳の息子さんと3人。
── Q4.幸せだなと実感する瞬間は?
日々の生活が幸せ。ご主人と息子さんが何気ない会話をしている時、家族みんな笑顔の時など。
── Q5. 結婚を一言で表すと?
『共有』。花がきれいだな、とか、嬉しいことや楽しいことを共有するとその幸せは2倍、3倍にもなる。 もちろん、辛いことも半分に。
お友達のカメラマン(@gotanabe)に家族写真を撮ってもらった、お気に入りの1枚。枝さんの満面の笑みが幸せを物語っている。
家族旅行に箱根に行った時のスナップ。ご主人と息子さん、何をしているのかと思いきや、2人で一生懸命魚を探しているのだそう。
近所に大きな公園がある環境で暮らしていて、休日は一家で遊びにいくことも。こんな具合に自転車でワイワイと。
枝 比呂子
Hiroko Eda
フリープレス。大手アパレルなどをへて独立。現在はファッション、ジュエリーブランドやスポーツメーカーなどのPRを手掛ける。
Photo: Mami Ishizawa Text: Hiroko Yabuki Special thanks: KOMAZAWA BISYO
GINZA2018年6月号掲載