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現代人に響く“悲しい明るさ”がそこにある。大衆に愛されたクラシック作曲家 湯山昭の音楽を聴きに東京・初台へ

現代人に響く“悲しい明るさ”がそこにある。大衆に愛されたクラシック作曲家 湯山昭の音楽を聴きに東京・初台へ

2022年3月、日本のクラシック史上最も大衆に愛された音楽家 湯山昭の楽曲のコンサートが東京オペラシティにやってくる。発表会の定番曲『お菓子の世界』で広く知られ、クラシックだけど歌詞にも拘った作曲家。現代人にも響くであろう“悲しい優しさ”が宿るというその音楽について、本公演のプロデューサーであり、氏の娘でもある湯山玲子さんにインタビュー。


現代のポップソングとの共通点も?
半世紀を経ても色褪せない湯山昭の音楽

童謡『おはなしゆびさん』『あめふりくまのこ』や、発表会の定番で153版を重ねるピアノ曲集『お菓子の世界』など、湯山昭の作品は誰でもきっと耳にしてきたはず。主に教育分野での活躍が知られているが、じつはそれだけではない。60年代から70年代にかけて、とんでもなくカッコイイ器楽曲や歌曲を生み出していた作曲家なのだ。その魅力を多くの人に伝えようと、2022年3月、東京オペラシティで『湯山昭の音楽』と題したコンサートが開かれる。演奏するのはクラシック界の選りすぐりのプレイヤー7組。プロデュースと選曲は娘であり、文筆家の湯山玲子さんだ。

玲子さんは小さな頃から父の音楽を身近に聴いて育ち、「世界一、湯山昭の音楽を聴いている」と自負する。

「今聴いてもまったく古くないんですよ。ラベルやドビュッシーのようなフランス近代以降の音楽や、ジャズのモードの要素が感じられる、クールな音楽。転調が多く、モダンな響きと複雑なリズムには、悲しい明るさが漂う感じ。YOASOBIの切なさやSuchmosの洗練されたサウンドが好きな人なら、きっと気に入ってもらえると思います」

もうひとつ、彼の作品の大きな特徴は言葉と音楽の関係性。日本語をメロディーにのせることに心血を注いでいたという。

「歌詞の世界をどれだけ音楽で表現できるか。湯山家の夕食の話題はそればっかりだった。その真髄である歌曲、合唱曲は、このコンサートの聴きどころでもあります」

中でも男性合唱曲『ゆうやけの歌』は注目。詩人川崎洋の、若い男子のエネルギーをそのまま言葉にしたような歌詞に、「バルトークを思わせる」斬新な湯山メロディがつき、「アヴァンギャルドで岡本太郎のモード」な作品になっている。

「この曲はなんと70年代の合唱コンクールの課題曲でした。中高生がこんな過激な作品(笑)を堂々と歌っていた昭和のおおらかさが羨ましい」

今回は男性オペラユニット、ザ・レジェンドが男声8声に編曲したヴァージョンで歌う。

クラシックだけど
かしこまらずに聴きに行きたい

(左から)湯山昭、湯山玲子

ピアノを習っていた人なら、『お菓子の世界』が懐かしいかもしれない。ピアノの名手で、湯山作品のファンである新垣隆さんが、玲子さんの選んだ10曲を弾く。こちらはタイトルが『お菓子のベルトコンベアー』『間奏曲1:むしば』『間奏曲2:どうしてふとるのかしら』などユニークだ。

「いくつかのタイトル作りには私も関わっています。例えば「チョコ・バー」。今では一般的になったチョコバーが登場したばかりで、♪バーバーバーバーチョコバー♪と低音でジャジーに歌うCMソングが当時子どもに大人気。“今こういうのが流行っているよ”と私が父に話し、インスパイアされてできた曲ですね」

タイトルだけでなく、曲作りに迷うと、父は娘に意見を求めたそう。

「“どっちがいいと思う?”と聞かれて、“こっち”と答えるでしょう。そうすると、”その理由を述べろ”と言われるんです。言語化して伝えないと怒られちゃう。音楽を言語化するのは非常にむずかしいので、今の仕事にものすごく役立っています」

クラシック音楽というと、なんだか堅苦しい、お勉強モードというイメージがあるけれど、それで敬遠していてはもったいないと玲子さんは言う。

「まだ聴いていないだけで、きっと自分の心がざわざわする、新しい音楽が世の中にはいっぱいある。湯山昭の作品はクラシックに分類されますが、その枠を越えて楽しめる、カッコよくて、おしゃれ、今の言葉で言う“超エモい”音楽です。そして70年代という面白い時代のエネルギーにあふれています。ぜひあなたの耳でたしかめてみてください」

爆クラpresents
湯山昭の音楽 What The World Needs Akira Yuyama

2021年2月、飛騨高山で初演した『湯山昭の音楽』コンサートが東京に。東京オペラシティ コンサートホールで再演決定!

日程: 2022年3月27日(日)15:00開演(14:15開場)
会場: 東京オペラシティ コンサートホール(東京都新宿区西新宿3-20-2) 京王新線(都営地下鉄新宿線乗り入れ) 初台駅東口下車 徒歩5分以内
出演: 新垣隆(ピアノ)、林正子(ソプラノ)、上野耕平(アルトサクソフォーン)、池上英樹(マリンバ)、福田廉之介(ヴァイオリン)、ロー磨秀(ピアノ)、THE LEGEND(男声オペラユニット)、湯山玲子(ナビゲーター・プロデューサー)
チケット: S席 8,800円(税込)、A席 7,700円(税込) 一般発売中
チケット取扱: イープラスチケットぴあ(Pコード:211-233)、ローソンチケット(Lコード:32568)

公演の詳細はこちら

Text: Kimiko Maruyama

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