貴重なヴィンテージに自身の“歴史”を日々刻み込む、生粋のデニムラバー。色落ち具合はもちろん、傷、擦れ、ペイントなどのダメージはすべて思い出や愛情の証なのだ。
自由なDENIM♡LOVERS 青木玲子さん
青木玲子/ロンハーマン レディス バイヤー
ファッション業界では指折りのヴィンテージデニムコレクターとして知られる青木玲子さん。その数はなんとジーンズだけで30本以上!
「私にとってコーディネートの主役そのもの!シルエットはもちろん、ちょっとした色の違いも楽しみながら、合わせる服を考えています」
本日はマリリン・モンローも愛した、リーバイスR初の女性向けの品番〈701〉をチョイスした。
「腰まわりにゆとりがあるからトップをコンパクトに。ボタンフライからジップフライに仕様変更された当初の、通称〝47〟と呼ばれるモデルで、映画『熱い夜の疼き』(52)で脚光を浴びた一本です」
ヴィンテージには語りたくなるディテールが尽きない。
「今では、復刻版の完成度は高く、シルエットは忠実に再現されています。もはや年代ものにこだわるのは自己満足なのかもと思うこともありますが、足を通したときの高揚感はまるで違います。憧れるのは、誰も足を通したことがないデッドストック。ただ、それは叶わないことが多いので、できるだけ着用頻度の少ない美品を。その点、この〈701〉は完璧!サイズはぴったり、色落ちはワンウォッシュ程度でリネンパッチまでノーダメージ、とまず出合えないコンディションでした」
長く愛用するため、ケアは怠らず。洗濯にも細やかな配慮をしている。
「必ず裏返して、専用洗剤で浸け置き洗い。その後、ピシッとパンツハンガーにつるして陰干し。できるだけ劣化しないよう心がけています」
リーバイス®のジーンズだけじゃない。リーのジーンズの〈101B〉43年大戦モデルやラングラーのジャケット〈24MJZ〉も愛用。あまり知られていない、50年代に展開した〈リーバイス® デニムファミリー〉のセットアップもコレクション。デニムラバーがうなる希少モデルもずらり
トップをインするマリリン・モンロー流。アウターを脱ぐと、より際立つハイウエストが〈701〉の特徴。着用したものの他に、色落ちの違う2本も愛用。
繊細なリネンタグまで、70年近く経ったとは思えない美しい状態で見つかることは激レアとか。
1回も足を通していないデッドストックのリーバイス®のビッグE〈501〉は、まだ発売当時のフラッシャーが付いたまま。もう一本は、希少なレザーパッチ付きの50年代の〈501xx〉。両面タブと呼ばれる、赤いタブの表裏に“LEVI’S®”の表記が入っている。はいて、ときには眺めて楽しむデニムたち
レアな一本に足を入れた瞬間の高揚感がたまらない!
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青木玲子
1984年東京都生まれ。2012年、サザビーリーグ入社。〈ロンハーマン〉〈RHC ロンハーマン〉でレディス部門のバイイングを担当。