GLIM SPANKYがカリフォルニアで見つけたヴィヴィッドな希望。音楽は僕らの日常に魔法をかける。

GLIM SPANKYがカリフォルニアで見つけたヴィヴィッドな希望。音楽は僕らの日常に魔法をかける。

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11月21日、4枚目となるアルバム『LOOKING FOR THE MAGIC』を発表した、ロックユニット・GLIM SPANKYの松尾レミさん(vo.)と亀本寛貴さん(gt.)。編集部が用意したおやつをつまんでいただきながら、新アルバムのことや、もっとパーソナルな、お好きなファッションやカルチャーのこと、最近の気分…たっぷり伺いました!


──今日はGLIM SPANKYのおふたりに、編集部から差し入れのおやつを用意してきました!事前リサーチによると、松尾さんは山椒や唐辛子がお好きだそうで。

松尾レミ(以下、松尾) え!!山椒、大好きです!ちなみにその理由は多分、わたしたちふたりの地元、長野・飯田のおやつの定番の、山椒がたっぷり使われた五平餅を思い出すからだと思うんですけど…(笑)。なんだろなんだろ?(包みを開けながら)

亀本寛貴(以下、亀本) いや、もう早く開けて!いただいたものは勢いよくバリバリと開封して!(笑)


──(笑)。山椒のお菓子なんですが、しょっぱい系ではないんです。京都の料亭・和久傳の『果椒』という甘い系のお菓子です。ヌガーのようにドライフルーツなどをかためたものに“実山椒”の香りが効いています。割って食べるようで。

松尾 山椒の甘いお菓子だなんて、チョイスがさすがです(笑)。いただきます。

亀本 (さっそくそのままかじる亀本さん!)ドライフルーツやナッツがすごい詰まってる!山椒が結構強い!!あ、でもすっぱい!!


──いろいろな味が同時に(笑)。原材料を見ると、ドライイチジク、チェリートマト、ピスタチオ、柚子、小豆、マカダミアナッツ……たくさん入っているみたいで。

松尾 見た目もかわいいし、本当においしいです。もはや山椒とか関係なくおいしい(笑)。おやつはもちろん、お酒のおつまみにもよさそう。ショップカード持って帰っていいですか?わたしこれ、本当に今度買いに行きます!

──はいぜひ!それでは、引き続きおやつもつまんでいただきながら、新アルバム『LOOKING FOR THE MAGIC』のお話も聞いていけたらと。直訳すると「魔法を探して」というこのタイトル、素敵ですね。

松尾 “魔法”という言葉って、いろいろな捉え方ができるなあって思っていて。たとえば今日、こうしてGINZA編集部のみなさんとお会いできたのもひとつの魔法です。日常の些細なことからもっと大きなことまで、様々な魔法がわたしたちの身の回りにあると思うんです。魔法をあえて言葉にするなら、“ときめき”や“きらめき”の気持ちなのかな。

 

──忙しかったりするとつい視野が狭くなりがちですが、本当は日常の中にも“魔法”が宿っているんですね。

松尾 「人生において時々感じることができる、スペシャルな気持ちを大切にしながら、わたしたちは生きていきたいよね」という前向きなメッセージを『LOOKING FOR THE MAGIC』というタイトル、そして表題曲の歌詞に込めています。実はこのタイトルに決めたのは、今年5月、旅行で行ったアメリカのL.A.で、ある体験があったからで。

松尾 その旅行には亀(亀本)も含め、友だち何人かとプライベートで行ったんですが、L.A.郊外の“サルベーション・マウンテン(Salvation Mountain)”という場所に足を運べたことがわたしは本当にうれしくて!3年くらい前からもうずっと、そこに行くのが念願だったんです。その夢が叶ったこと自体、まさに魔法!

ぱっと見サイケ風ですが、キリスト教徒にとって大切な場所みたいです。広い砂漠を車で通り抜けて、ようやく辿り着ける“桃源郷”なんですよね。その先にも砂漠は続くけれど、あのオアシスのような場所を体験した後には、もうちょっと先へ行けるような気がする……そんな、サルベーション・マウンテンで感じた、きらめくような気持ちをタイトルや歌詞にしたかったんです。

──サルベーション・マウンテンへの思いが、表題曲『Looking For The Magic』の「渇く道は広く遠く/どこまで続く/私たちは夢を抱いて/ここまで来たの」という歌詞にもつながっていくんですね。

松尾 はい。しかもその流れで、今回のアルバムのためのレコーディングと撮影も、L.A.で行うことができて!ジャケットや『TV Show』PVはサルベーション・マウンテンで撮りました。

亀本 僕もアメリカ西海岸の荒涼とした砂漠の風景、みたいな感じは元々好きだったから、旅行に撮影と、今年2度もサルベーション・マウンテンに行けてうれしかったな。でもさ松尾さん、普段はアメリカのロックっていうより、UKの暗〜い音楽を聴いている印象があるんだけど?

 

──へえ、それってどういうジャンルなんでしょう。

松尾 1960年代後半~1970年代初頭の、UKのトラッドフォークやアシッドフォーク、ロック、サイケデリックロックが好きで、マイナーだけどカルト的な人気を今でも誇っていて様々なロックミュージシャンに影響を与えて来たジャンルです。外見からして妖精とか魔法使いのような、怪しげな魅力がある人たちがやっていたりアートワークも含め、面白い音楽なんです。

松尾 音楽もファッションもUKの文化にかなり影響を受けているけれど、同時にアメリカ西海岸のサイケデリックロックやファッションも大好きで、しっくり来ます。今回のアルバムのためのL.A.滞在中も、本当は古着屋を巡りたかった…!

亀本 移動も含めて4日、くらいのスケジュールだったもんね(笑)。現地にいられたのも実質2日くらい?

──ひゃー、L.A.へは弾丸だったんですね…!ちなみに松尾さんは今年2月、 『GINZA』の「セルフ・コーディネート2018」特集にご登場くださり、独自のおしゃれ哲学を見せてくれました。スタイリングも普段からご自身でされているとか?

松尾 日本でも旅先の外国でもヴィンテージは常に探しているし、衣装もヘアメイクもセルフのことが多いです。

「今日はふたりとも完全に私服です」

──今日の亀本さんが胸元につけているピンバッジ、かわいいですね。

亀本 Gibsonのギターヘッド、「Hollywood」って書かれたカリフォルニアの車のナンバープレート風、あと松尾さんがフランスのお土産でくれたVolvicのとか、つけてますね。


「ああ、パリの蚤の市で100円だったやつね(笑)」と松尾さん。

──お土産も渡し合うという、さすがの仲良しっぷり(笑)。松尾さんが今回のアルバムのジャケットで着ていらっしゃる、サイケでカラフルな上下のお洋服も印象的でした。

松尾 あの洋服は、高校の頃から行きつけの名古屋の古着屋さんが、わたしのために勝手に(笑)取り置きしておいてくれたものなんです。お店の人がニヤニヤしながら裏から出してきてくれて。

 

──なんという古着屋さんですか?

松尾 名古屋の大須商店街にある「THE OTHER」というお店です。60年代後半〜70年代前半までのヨーロッパのヴィンテージが、とても状態よく、しかも安く揃っている最強の古着屋さん!「THE OTHER」で服を買いたいからという理由で、名古屋には頻繁に行きます。

『LOOKING FOR THE MAGIC』初回限定盤(CD+DVD)ジャケット
──ちなみに今回のアルバムでは、先着購入特典としてZINEも作られたんですよね?

松尾 そうです。大学生の頃からZINEは何冊も作ってきたけれど、今回はGLIM SPANKYとして初めてのART ZINE!ZINEカルチャーって、まだまだ日本では浸透しきれていない気がするので、広めるためにもいろいろできたらと思って。

亀本 僕も絵を描いて参加しています。

松尾 亀は、これまでの人生で一番がんばったという、味のある絵を描いてくれました。今回のZINEは『LOOKING FOR THE MAGIC in L.A.』と題して、L.A.でオススメのダイナーとか古着屋さんとか、いっぱい載せる予定です。わたしが現地で感じた魔法を、少しでもリスナーの人たちにお裾分けしたかったので。

 

松尾さんは『LOOKING FOR THE MAGIC』Tシャツもデザイン!

──音楽を軸としながらもそこにとどまらず、ファッション、ZINEといろいろなクリエイションに挑戦していく姿勢、本当にかっこいいです。

松尾 わたし自身、音楽“だけ”をやっているつもりは最初からないんです。並行してスタイリングやグッズ製作なども手掛けてきたし、もっと総合芸術的な感覚でGLIM SPANKYをやっている、という感じです。「ロックもサイケもファッションも引っくるめてパッケージしちゃいたい!」というアプローチのひとつが、今回のアルバムとその特典のZINEですね。楽しんでいただけたら!


GLIM SPANKY

松尾レミ(vo.)と亀本寛貴(gt.)によるロックユニット。オーセンティックなロック、ブルースを基調にしながらも、新時代を感じさせるサウンドを鳴らす。ハスキーで圧倒的存在感のヴォーカルと、 ブルージーで感情豊かなギターが特徴。2018年は日本武道館でのワンマンライブ、そしてフジロックフェスティバルでのグリーンステージ出演も果たした。2018年11月21日、4枚目となるアルバム『LOOKING FOR THE MAGIC』をリリース。
www.glimspanky.com/
@ glimspanky

*『LOOKING FOR THE MAGIC』を全曲試聴する

Text: Emiri Suzuki Photo: Sakie Miura Edit: Milli Kawaguchi

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