14 Sep 2016
「宮本彩菜のテレフォン・ショッキング!」自伝的青春映画『グッバイ、サマー』のミシェル・ゴンドリー監督に電話取材を敢行!

BjörkのMVをきっかけにその存在を知り、以降作品を追いかけてきたという宮本彩菜さんが、自伝的青春映画『グッバイ、サマー』が公開中のミシェル・ゴンドリー監督に電話取材を敢行! web限定でその様子を撮影した動画もお届けします!
宮本彩菜(以下A) あなたの作品にずっと魅了されてきたので、今日お話ができてとても光栄です。新作映画『グッバイ、サマー』を観て、心が温かい空気で満たされました。あなたらしい作品でうれしかったです。撮影は忘れられないものになりましたか?
ミシェル・ゴンドリー(以下M) うれしいよ、ありがとう! 14歳の少年というキャラクターが中心となる映画を作れることはすごく楽しい作業だった。特に、幼い頃の記憶や思い出が詰め込まれた作品だしね。
A 子どものとき、“筋肉シュリンプ”というあだ名で呼ばれていたそうですが、由来はあるんですか?
M いやー、これがさっぱりわからなくて(笑)。ダイナミックに行動する派だったから海老は理解できるにしても、筋肉はまったくないタイプだったから。
A 主役ダニエルのように監督もよく女の子に間違えられたそうですが、ラッキーだったこともあります?
M もう恥ずかしいことしかなかったよ。でも、長い髪も個性と思ってたから切るのも嫌だったんだよね。
A 毎回、衣装やインテリアも素敵ですが、今回劇中に出てくる絵はご自身で描いたんですか?
M そう、絵は僕が描いたんだ。兄たちの似顔絵をよく描いてたからね。デザインに関しては毎回ドローイングからこだわってて、今回の動くログハウスに関してもかなりディテールにこだわって作ったよ。
A 私自身、古くなったものに、形を変えて命を吹き込むようなクリエイションをよくするので、最新テクノロジーよりも、監督の作品のような物を大事にする手作り感のある世界観がとても好きなんです。
M 映画を観てもらってみんなの想像力を刺激したり、同じようなことをやってみたいと思ってもらうことも重要だと思うんだ。最新技術は簡単に真似できないけど、オブジェを作って修復するのは誰でもできるし。
A 今回の映画は夢の描き方がとてもリアルでしたが、夢を記録したりするんですか?
M 時々メモったりPCに残したりしているかな。今までは夢を使ってファンタジックな世界を描いたけれど、この作品では自分が記憶している夢の感覚を味わってもらいたかった。子どものときって夢と現実の違いはそんなにないから、当たり前に現実だと思っていることを、目が覚めて振り返ったときに夢とカテゴライズしているだけだからね。
A 私もよく夢からインスパイアされてクリエイションするので、いつか監督に映画化していただける日が来ることを夢見て、記録し続けようと思います。
M いいアイデアだね! ぜひ聞かせてほしいな。
©Partizan Films – Studiocanal 2015
『グッバイ、サマー』(15)
女の子のような容姿の悩み多きダニエルは画家志望の14歳。ある日やってきた、変わり者の転校生テオと意気投合。2人は破棄されたスクラップを集め、“夢の車”を作る計画に乗り出す。YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほかにて公開中。
宮本彩菜 みやもと・あやな
モデル/クリエイター。1991年大阪府生まれ。モデルとして雑誌や広告などで活躍するほか、国内外から映像制作依頼が殺到しているクリエイターでもある。今後は演技の世界も視野に、アクションや殺陣なども稽古中。
ミシェル・ゴンドリー Michel Gondry
映画監督。1963年フランス生まれ。自身が参加し、MVの監督もしていたバンドOui OuiがBj?rkの目に留まり、彼女のMVを多く手がけることになる。代表作に『エターナル・サンシャイン』(04)などがある。
Photo&Videographer: Ryo Hanabusa
Edit: Tomoko Ogawa
2016年10月号掲載