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今、ロンドンで話題の木工作家ソフィ・セルウのアトリエを訪ねて

今、ロンドンで話題の木工作家ソフィ・セルウのアトリエを訪ねて

目に映ると心が弾み、触れるたびに温もりが伝わる。ソフィ・セルウが手がける、生活を彩る実用品はこの場所で生まれる。


作業台の槌や小刀といった工具や制作中の作品を、きっちり整頓して並べる几帳面なソフィ。ポップアップショップ開催時、愛犬スタンリーがお出迎えしてくれるかも。

「木の質感、状態、カタチと対話しながら、直感を頼りに削っていくの」
滑らかなカーブを描く有機的なフォルム、それに呼応するかのように木目が端正に引き立つ。ロンドンを拠点とする木工作家、ソフィ・セルウの作品である日用品は実にチャーミング。新しく開いたアトリエ「グレイン&ノッツ」には、スプーンやバターナイフといったカトラリーから、ブラシやまな板、一輪挿しなどが並び、日々新しいものが加わる。彫刻や置き物にもなりえるほどの造形美にはオリジナリティが宿る。
「生活必需品だからこそ、目に麗しく、日々の瞬間を楽しくさせるものであってほしい」
もともとはグラフィックデザインをしていたが、モニターの前に座ってばかりの仕事に嫌気がさして退職。
「同じ手を動かすなら、ささやかでも、もっと暮らしにコミットできる品を作りたい」
2013年より開始した木工制作の過程をインスタグラムに載せていたところ、「譲ってほしい」というメッセージが次々と届くようになったそうだ。
「趣味で始めたのに、こうして職業になるなんて自分でもびっくり。そして、アトリエを持てるようになったことをとても誇りに思います」
最近、サウスロンドンのニュークロスゲート駅から5分ほど歩いたスペースに引っ越してきたばかり。これまでは自宅で作業をし、オンラインとポップアップショップのみで販売してきた。
「ずっと待ち望んでいた空間。ここでは、森の中にいるような静けさを感じてほしい。ロンドンのような大都市に住む人々には、もっと自然とのつながりが必要ですから」
喧騒から離れた一室は、大きな窓から注ぐ豊かな光に満ちており、一歩足を踏み入れるだけで穏やかな気持ちになれる。
「ショップはもちろん、ディナー会やアーティストとのイベントも開催。日用品を愛する人を、積極的に招き入れたいですね」

Photo&Text: Ko Ueoka

GINZA2023年1月号掲載

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