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表情筋をアイソメトリック 知的体のすすめ

表情筋をアイソメトリック  知的体のすすめ

「美しく幸せでありたい」──誰もがもつ願いにさまざまな方法で取り組む 房中養生アドバイザー鰻澤智美さん。知性の芽は、その人自身の中に隠れているという。“見えないもの”を感じる知性 第2弾は、一生ものの顔筋トレーニングについて。


表情筋をアイソメトリック

鍼灸をやっていて良かったことのひとつが、自分に美容鍼が打てることです。

20代後半から少しずつ顔のむくみが気になりはじめ、ベストコンディションじゃないなと感じる日が増えてきました。30過ぎて、気づけば顔の調子がいいのは月に1〜2日。いわゆる老化という経年変化はかなり早くから始まっていたのね……と40歳目前の今ならわかります。

化粧品、エステ、美容医療と財布の許す範囲で試してきました。即効性のあるボトックスやフィラー系はメンテナンスが必須で、続けるには人生においてコストがかさみすぎます。かといって自宅で塗ったり落としたりの簡単ケアは、地道な継続で数年後の結果が変わると頭ではわかっていても、思わずスキップしちゃうような「心までアゲてくれる効果」はありません。

そんな悩めるアラフォーの私は美容鍼の即効性の力を借りて、気合を入れたい日や、むくみの強い朝にパパッと鍼を打ちます。こういうとき、鍼はわかりやすく効く。とはいえ、顔への鍼はそのリフトアップ感が長く続くかと言えばそうでもなく、出せたとしても緊張したり血行の悪くなったりしている部分をマイナスからゼロにリセットするくらいの効果だと思うのです。  運動指導をしていて思うのですが、姿かたちを変えるには、筋トレが一番の近道。そこで私は美容鍼で表情筋(※1)のよく動く状態を作り、そのあと「表情筋の筋トレ」を行うことを推奨しています。運動ジワは絶対に作りたくないので筋肉を拮抗させて鍛える「アイソメトリックトレーニング(※2)」がベスト。これならたるみに対し確実な変化が出せます。

まずは、患者さんの表情筋をひとつずつ私が押さえ込んだところに、ゆっくりと力を入れてもらう練習から始めていきます。「顔の筋肉なんて簡単に動かせるし、やり方なんてすぐにマスターできるよ」と思われる方が多いのですが、これが意外と難しいのです。左右対称に正しく動かせているように見えても、鏡で見るいつもの自分の顔には、だいぶ脳内補正がかけられています。そこでリバーサルミラー(※3)を使って、他人目線で顔を認識して動きのチェックをしてもらうと、ここで初めて左右のバランスに大きな違いがあることに気づきます。本当の自分の顔を見つめ直すところからのスタートなのです。

「眼瞼下垂の予防」「表情癖によるシワの回避」「頬はこけているのに二重顎」などにうってつけの顔面アイソメ。人によっては舌癖を改善する「舌の筋トレ」も行います。筋トレのいいところは、適切なやり方さえ一度マスターしてしまえば、あとはお金がかからない一生モノのテクニックであること。1日数分、慣れてきたら3日にいっぺんで効果は十分。化粧水が浸透する間にササッとできます。

 

※1 表情筋: 顔面の皮下に存在し、主として骨から起こって皮膚に終わる皮筋で、顔面筋ともいう。
※2 アイソメトリックトレーニング: 筋肉の長さを変えずに力を発揮させる運動。静的刺激で筋の引き締めや筋力強化を行う。
※3 リバーサルミラー: 他人から見た自分が見える左右が入れ替わった反転鏡。ゆがみやたるみの確認がしやすい。

 

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鰻澤智美 うなぎさわ・ともみ

ヨガ、鍼灸、カウンセリングをベースに、房中養生によるヘルスケアに取り組んでいる。ginzamag.comにて「性がキレイを決める 房中養生入門」を連載。更新のたびに読者をざわつかせる。

Illustration: Rena Yamanaka Text: Tomomi Unagisawa

GINZA2018年5月号掲載

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