ふとしたときに引っかかる小さな思案ごとから、長年抱え込んでいたお悩みまで。きれいにまつわるあなたの問いかけに、ビューティライターのAYANAがお返事します。
きれいのお悩み投函箱 vol.1
あなたとAYANAの一問一答
📩 お手紙 📩
何色か入っているアイシャドウパレットを買っても、いつもワンパターンのアイメイクになります...
💌 お返事 💌
ワンパターンのアイメイクになってしまうのは、そんなに悪いことではないと思います。自分にとって落ち着く技法があるというのは素晴らしいことだからです。
でも、10色のうち2色しか使わない、みたいな話になると比率的に勿体無いですよね。もしそうなら、いつものパターンに別の1色を重ねてみる、これを日替わりで順番にやってみては。少量をブレンディングしてみたり、目尻にちょっとだけ塗ってみたり。最初は自分にしかわからないくらいでも大丈夫で、まずは使わない色との距離を縮めてみましょう。きっとやっていくうちに、新しいパターンを試してみたくなるんじゃないでしょうか。
あとはパレットをどう選ぶかです。カラーバリエーションの豊かなもののほうが、いろんなメイクができて何かとオトクなのでは?→買ってみたはいいけれど、結局一部の色しか使っていない。もしこのループにハマっているとしたら、ぜひ「思わず全色使ってしまうタイプのパレット」をご紹介させてください。
ひとつは、似たような色が集まったもの。たとえば、この春に新発売したル・ヌフ・ジバンシイ No.09。これは本当によくできたパレットで、ブラウン〜ベージュ〜ピンクのソフトな色の集合体なんですが、どれを組み合わせてもキマります。ついついこの色ばっかり使っちゃうんだよネェ〜ってほど個性が際立ちすぎておらず、とにかくなじむし失敗がない。それなのに無難じゃない仕上がりで、とてもおしゃれな目もとになります。こういうパレットをひとつ持っていると、アイメイクへの自信がぐんとつくと思います。
もうひとつは、混ぜると明らかにきれいな色になるもの。たとえば秋発売のルナソル アイカラーレーション 20。この4色、ハワイの海辺で見る壮大な夕焼けのなかに全部入ってるよねという感じの配色なんです。夕焼けのなかに存在する4色、すなわちブレンディングしても非常に美しい。濁らない。グラデーションを作ったり、混ぜて新しい色にしたりと自由自在。このなかについつい手が伸びる2色があったとしても、その上に手が伸びない1色ないし2色を重ねてもマジックアワーで色が移り変わる空のように、自然。だから全部使いたくなってしまうこと必須です。
まずは、ささやかなパターン違いを作ることから。小さな一歩が自分の可動域を広げ、見える景色を変えてくれるはずです。
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AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、インタビュー、ブランドカタログなど広く執筆。化粧品メーカー企画開発職の経験を活かし、ブランディングや商品開発にも関わる。2021年、エッセイ集『「美しい」のものさし』(双葉社)を上梓。文章講座EMOTIONAL WRITING METHOD(#エモ文)主宰、OSAJI メイクアップコレクションディレクターも務める。
Photo&Text: AYANA