南アジアにルーツを持つ、シャラ ラジマさん。見た目で容易に規定されることなく、ボーダレスな存在でありたいと、髪を金髪に染め、カラーコンタクトをつけてモデル活動をしている。“常識”を鵜呑みにしない彼女のアンテナにひっかかった日々のあれこれをつづった連載エッセイ。
前回記事▶︎「vol.20 関西弁に憧れて」はこちら。
シャラ ラジマ「オフレコの物語」vol.21

南アジアにルーツを持つ、シャラ ラジマさん。見た目で容易に規定されることなく、ボーダレスな存在でありたいと、髪を金髪に染め、カラーコンタクトをつけてモデル活動をしている。“常識”を鵜呑みにしない彼女のアンテナにひっかかった日々のあれこれをつづった連載エッセイ。
前回記事▶︎「vol.20 関西弁に憧れて」はこちら。
かつて関西弁に憧れた頃の記憶が蘇る「京都」は、学生時代に一度“履修”したしと思って、ここ最近は手付かずになっていた。だから今回は実にコロナ後初の訪問だった。アーティストの友達が「アーティスト・イン・レジデンス」なるものに呼ばれていて、それを訪ねて遊びに行った。
私がその友達に引き寄せられて京都に遊びに行ったように、自分もいつかみんなを連れたり誘ったり、用事があったりして日本や世界中を勝手に回る人生を送りたいと思った。呼ばれて自然な流れであちこち行って、その時々でタイミングの合う来たい友達が来てくれて、わたしはみんなをもてなせるくらいには日々成果を出していたいなという気持ちにさせてくれた。
今回はじめて海沿いの京丹後という場所を訪れた。京都の市内から車で2時間ほど行った場所で、近くを鯖街道が走っていた。魚介類を京都市内に搬送するための道で、新鮮さが命である鯖をすばやく運べるからついた名前らしい。意外にも海鮮につよい京都。太平洋ではなく日本海の風を感じるのはこれで二度目だ。憂いのあるイメージの日本海だったが、京丹後の海は意外にも明るかった。なんていうかおしゃれな明るさ。というのも訪れた琴引浜という場所は白い砂浜で海は思ったよりも青って感じの色だった。そして砂浜の終わりには岩の断層があって、そこからは湧水が岩壁にしたたりつつ、防砂林として松が大量に植えられていた。目を細めてみれば右から青い海!白い砂浜!そして左端で異彩を放つ大量の松!!!の光景だった。これこそTHE 浮世絵か!!どうりで既視感ある!という迫力があった。松を背にして海側だけを見るとちょっと宮古島とか下田とかの海にも見えなくもない綺麗さでありながら、全体見渡すと海!砂浜!松!という渋さにやられる。マジで北斎とかが描いてそう。日本の海は一周どこに行ってもそれぞれの意外にも違う景色が見られるのかもと興味が湧いた。

Text_Sharar Lazima