南アジアにルーツを持つ、シャラ ラジマさん。見た目で容易に規定されることなく、ボーダレスな存在でありたいと、髪を金髪に染め、カラーコンタクトをつけてモデル活動をしている。“常識”を鵜呑みにしない彼女のアンテナにひっかかった日々のあれこれをつづった連載エッセイ。
前回記事▶︎「vol.19 奪われた時間と自信は取り戻せる」はこちら。
シャラ ラジマ「オフレコの物語」vol.20

南アジアにルーツを持つ、シャラ ラジマさん。見た目で容易に規定されることなく、ボーダレスな存在でありたいと、髪を金髪に染め、カラーコンタクトをつけてモデル活動をしている。“常識”を鵜呑みにしない彼女のアンテナにひっかかった日々のあれこれをつづった連載エッセイ。
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京都という街は思い出の場所だ。それは私だけでなく、ヨーロッパでいうフランスのパリのように、古いものが古いまま残されていて、人々の歴史がそのまま刻まれた佇まいは多くの人の思い出に残る。私の思い出にも、京都の街が数ページにわたって残っている。
18歳の頃、関西弁に恋焦がれ憧れる第一のブームが来ていた。分かりやすくサブカル好きだった趣味趣向も合わさり、関西弁になりたいシャララジマにとって京都は理想の空間だった。早口で情報量が多すぎる自分をおしとやかにさせてくれるんじゃないかと当時は思わせてくれた。趣深い日本古来の建物と、歴史を感じさせる街並みは、人が多くても、都心よりも心なしか空間自体がゆったりしていた。そんな憧れを胸に、週7で働くアルバイターだった自分はお金が貯まるとすぐに旅行にいった。寝て遊ぶ時間以外は全て労働に捧げ、時給に変えて、見てみたい新しい世界。

Text_Sharar Lazima