このまま乃木憂助(堺雅人)はテントの一員として生きていくのか? 最終回目前となった日曜劇場『VIVANT』(TBS日曜夜9時〜)9話を、ドラマを愛するライター釣木文恵と漫画家オカヤイヅミが振り返ります。8話のレビューはコチラ。
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考察『VIVANT』9話。最終回直前の総まとめ回を振り返る
本当にあと1回でいろんなことが収まるのだろうか
考察『VIVANT』9話
最終回に向けて
総ざらいの9話
9話冒頭で、テントが世界でテロを起こして得た利益で必死に土地を買っている理由は案外あっさり明かされた。半導体に欠かせない希少な鉱石・フローライトがバルカにあることを独自に掴んでいたからだった。半永久的に利益をもたらすフローライトの採掘場を手に入れれば、ノゴーン・ベキ(役所広司)たちが取り組んでいる孤児支援を安定的に続けることができる。その話を聞いた乃木憂助(堺雅人)は、最後の土地を獲得するためのテロを止め、別班の極秘情報を利用した株の信用取引で血を流すことなく金を手に入れる。
信用取引のため黒須駿(松坂桃李)のふりをする手法がシンプルにモノマネだったのには驚かされたが、乃木の狙いは見事に的中し、テントは莫大な利益を手に入れる。6話で太田梨歩(飯沼愛)がテントのサーバを解析したときと同じように、画面上には無機質なチャートしか映っていないのに、見ているだけでつい興奮してしまう。テントの面々もここではまるでギャンブルの結果を見守る顔つきで、ちょっとした面白シーンにも思えた。
直前に放送された「緊急生放送スペシャル」で、堺雅人は8話の米の不正を暴くシーンについて「数字が苦手だから文字として覚える」と言っていた。9話でも信用取引について数字を用いて皆に説明するシーンがあったが、きっとここでも数字を文字として覚えたのだろう。この日はこのスペシャル番組から立て続けに9話が放送されたこともあって、およそ4時間をかけてこれまでを振り返り、最終回に向けてはずみをつける回のようでもあった。
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Edit: Yukiko Arai