ボーダーレスでジャンルレス。そんな2020年代を軽やかに体現する才能やムーブメントが次々に登場している音楽シーンの動向を、気鋭のライター、つやちゃんのセレクトでご紹介。
ローカル愛にあふれるシンガポール音楽シーンの5人の逸材
ミュージシャン新勢力vol.06
アジアの音楽シーンにあって、今もっとも活気があるのは東南アジアだと言われている。中でもシンガポールは欧米ミュージシャンも積極的にツアーで訪れる商業的中心地だ。ただし、狭い国土や高額な生活費は、シンガポール国内のアーティストにとってはけっして恵まれた活動環境とはいえない。それでも持ち前の国際感覚と多様性、ローカル愛を巧みに組み合わせながら、自国シーンを盛り上げつつある4組をピックアップ。
ユール
Yeule
![ローカル愛にあふれるシンガポール音楽シーンの5人の逸材](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F10%2FGN11_yeule.jpg&w=3840&q=75)
現在はロサンゼルスが拠点のソングライター兼プロデューサー。9月、「Ninja Tune」との契約後初となる3rdアルバム『softscars』を発表。音楽ジャンルやジェンダー、人種といったさまざまな境界にとらわれない作風で、シンガポールの国際性が表れている。
サブソニックアイ
Subsonic Eye
![ローカル愛にあふれるシンガポール音楽シーンの5人の逸材](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F10%2FGN11_Subsonic-Eye.jpg&w=3840&q=75)
シューゲイズの影響を多分に感じさせるSubsonic Eye。今年9月にニューアルバム『All Around You』を発表、USツアーや来日公演も行う。メンバーが在籍するもうひとつのバンド、Sobsと並んでアジアのインディロックの潮流を知る上で重要な存在だ。
リンイン
Linying
![Photo: Jasmine Rutledge](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F10%2FGN11_Linying.jpg&w=3840&q=75)
ロマンティック、でもどこかサッドなポップソングを歌い紡ぐLinying。ピアノとアコギを主体としたミニマルな曲が多く、自身のヴォーカルの艶やかな質感が際立つ。最新シングル「Defi
nitely」ではシンガポールの著名ポップアーティスト、Charlie Limとコラボレート。
アバングサポウ
ABANGSAPAU
![Photo: Def Jam South East Asia.](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F10%2FGN11_ABANGSAPAU.jpg&w=3840&q=75)
マレー系男性の民族衣装として知られるサルーンをまとうABANGSAPAUは、多民族国家シンガポールを象徴するラッパー。マレー語と英語のバイリンガルのリリックには、マレー系シーク教徒として生きる彼のアイデンティティが込められている。
Text: Shino Kokawa Cooperation: Tsuyachan