小田香 新作《母との記録「働く手」》 2025年
2025年1月31日(金)から2月16日(日)まで、「東京都写真美術館」をメイン会場とした恵比寿ガーデンプレイス各所にて『総合開館30周年記念 恵比寿映像祭2025 Docs —これはイメージです—』が開かれる。幅広い作品をイメージと言葉から紐解くことで、「ドキュメント/ドキュメンタリー」の再考を試みる。
総合開館30周年を迎える「東京都写真美術館」による企画
小田香 新作《母との記録「働く手」》 2025年
2025年1月31日(金)から2月16日(日)まで、「東京都写真美術館」をメイン会場とした恵比寿ガーデンプレイス各所にて『総合開館30周年記念 恵比寿映像祭2025 Docs —これはイメージです—』が開かれる。幅広い作品をイメージと言葉から紐解くことで、「ドキュメント/ドキュメンタリー」の再考を試みる。
恵比寿ガーデンプレイス内にある「東京都写真美術館」が開館30周年を迎える。この節目に行われる『恵比寿映像祭2025』は、歴史的な名作から現代の作品まで幅広く展示し、これまでの30年を振り返りながら、未来への新たな展望をアーティストとともに描く。
総合テーマ『Docs —これはイメージです—』に基づいて、『恵比寿映像祭2024』で決定した第2回コミッション・プロジェクトのファイナリスト4名が制作に挑んだ。個人的な体験や社会的な課題を取り上げながら、記憶と記録、身体や空間の在り方など、多彩なテーマで掘り下げている。
「身体、時間、パフォーマンス」を軸とした展示スペースでは、自らの身体を使い表現するタイ出身のカウィータ・ヴァタナジャンクールや、性的マイノリティの権利獲得に挑戦したイトー・ターリのアーカイヴなどが批評的なまなざしを共有する。アピチャッポン・ウィーラーセタクンの写真作品は、映像本来の時間への再接続が試みている。
地下1階の展示は、イメージは現実そのものではないというテーゼから出発。言葉と神話といったキーワードをめぐる作品が集まる。世界の神話に登場する大洪水のイメージの伝承を探る台湾出身の劉玗(リウ・ユー)の作品のほか、システムやデータを新しい環境に移行を行い再展示する古川タクの映像装置などから19世紀のウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットまでが、イメージの謎を問う。
そのほか、劇映画や実験映画、ドキュメンタリー、アニメーションなどを集めた上映プログラムも実施。映像の枠を超えたパフォーマンスを見せるライヴイベントも予定されている。
メディアアーティストのトニー・コークスによるオフサイト展示も見どころのひとつ。テキストと音楽を結びつけて独自の視覚表現で文化や歴史を細分化する彼の作品は、JR恵比寿駅から恵比寿ガーデンプレイスをつなぐスカイウォーク(動く歩道)など数カ所で展開される。
情報を記録する文書との意味を持つ「ドキュメント」。それが形容詞化した語である「ドキュメンタリー」は、現在では記録映画の意味で使われる名詞にもなっている。事象を書き(撮り)留めておく営みと、それによって生まれる映像や写真すなわちイメージ。本展に登場する多彩な作品群とともに、その複雑な関係性を探ってみたい。
会期_2025年1月31日(金)〜2月16日(日)
*3F展示室のコミッション・プロジェクトは3月23日(日)まで。
会場_東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
住所_東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内ほか
開館時間_10:00〜20:00(最終日は〜18:00)
*月曜休館
Tel_03-3280-0099(東京都写真美術館*平日10:00~18:00)
料金_入場無料
*有料上映プログラムは前売800円、当日1,000円
*牧野貴『100年』×渡邊琢磨 弦楽五重奏ライヴは前売 1,800円、当日 2,000円
Text_Motoko KUROKI