ハンドメイドだからこそ叶えられる無限のクリエイティビティ。作品に映し出される作家たちのパーソナリティとは?4名の作家のポートレートと創作のストーリーをお届けします。#ハンドメイド作品と作家たち
🎨CULTURE
フィギュア作家kiiroが表現する、触れられる感情
kiiro
フィギュア作家

「自分がアートで表現したいものについて考えた時、遠くから見るものではなく、手に収まるもののような気がして、立体造形を作り始めました。誰かの手に渡った時、触ることで物量感を感じてほしいという想いが強いんです」と話すkiiroさんは、今年の春、武蔵野美術大学を卒業したばかり。ファッションデザインコースに在籍中に、フィギュア作品を作り始めたという。「脳内でいろんな考えを巡らせながら、粘土をこね、できるだけ偶然的なものを作りたい」と話す彼女が生み出す立体物は、世の中で目にする生き物が、自由奔放にその形を変容させ、エキセントリックな色彩をまとっている。怪獣のような作品(右)のベースとなったモチーフはキリン、笑顔を浮かべるヤシの木(中)には+や-の記号がペイントされ、イヌの顔にはイモムシのような身体がドッキング。言葉や意味性とかけ離れたイマジネーションが、彼女の持ち味ともいえる。
「私にとって自分の作品はイマジナリーフレンド(空想上の友達)。触れられる感情=フィギュアと考えていて、名前がつけられない感情とか、言葉にできない記憶とか、曖昧なフィーリングをフィギュアとして表現していけたらと思っています。作品を作っている時間は、自分自身に戻れる時間。自分と対話していった結果、これらの作品が生まれて、それが触れられる立体として存在する。その過程を大切にしています」
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Photo_Mikito Iizuka Text&Edit_Sakiko Fukuhara
