⻑野県松本市を拠点に活動する⽊⼯家・三⾕⿓⼆による個展「岸辺を離れて」が、2025年11⽉12⽇(⽔)から23⽇(⽇)まで代官⼭ヒルサイドテラス内のgallery ON THE HILLにて開催される。
⽊⼯家・三⾕⿓⼆展「岸辺を離れて」が代官山で開催
専門性を越えた、新たな創作のかたち

普段づかいの木の器や、白色の漆器づくりを通して、現代の暮らしに寄り添う器づくりを追求してきた三⾕⿓⼆さん。無垢の木がもつ素材の魅力を引き出しながら、毎日の風景に溶け込む、使うことで完成し、時間とともに味わいを増す──そんな“生活の中で育つ美しさ”を宿す作品を生み出してきた。

今回の個展では、これまでの木工という枠を離れ、“余技”と呼ぶ自由な創作活動を紹介する。余技とは、本業から派生したもうひとつの表現。三谷さんにとってそれは、専門性から少し距離をとることで生まれる、新しい創作の場である。
会場に展示されるブリキ板に描かれた絵画作品もそのうちの一つ。静けさの中に独特な色彩感覚と自在な筆のタッチが息づき、彼の自由な表現の気配を感じさせる。また、タイトルの「岸辺を離れて」を象徴する立体作品は、旅先での記憶や風景をもとに構成されたインスタレーション。こうした“余技”の作品群は、彼のつくる器に宿る詩的な美意識、そしてその源を象徴している。
さらに、飛騨産業とコラボレートした家具と玩具の新作コレクション「3r-h furniture」も展示される。なかでも、〈シェーカー〉のローバックチェアに着想を得た〈armchair〉は、「⼀⽣に⼀脚だけでも椅⼦をデザインしてみたい」という三谷さんの長年の夢を形にしたもの。日々の食卓で使うためにつくられたこの木のアームチェアには、座り心地から佇まいまで丁寧に心が配られている。

器、絵画、立体、家具、デザイン。素材も表現も自由に行き来しながら、日常と表現のあいだにある可能性を探る三谷龍二さん。いろいろな“余技”を通じて、創作の原点にふれることができる貴重な機会になりそうだ。
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⽊⼯家 三⾕⿓⼆展「岸辺を離れて」
会場_東京都渋⾕区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟1F 代官⼭ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラム、gallery ON THE HILL
会期_開催中〜11⽉ 23⽇(⽇)
開場時間_12:00〜19:00(最終⽇11:00〜17:00)
⼊場料_無料
お問い合わせ_info@galleryonthehill.com
※⽊の器はすべて抽選販売
Text_Chika Iijima





