四季(宮﨑あおい)の未来が判明し、兆(岡田将生)の本当の目的が明らかに……。『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第8話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
7話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
今夜最終回!視聴者にとっての四季(宮﨑あおい)の存在は“甘美な毒”なのかもしれない

四季(宮﨑あおい)の未来が判明し、兆(岡田将生)の本当の目的が明らかに……。『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第8話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
7話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
「ヒーローは甘い夢」「いずれ体をむしばむ猛毒だった」
本来であれば1年以内に亡くなっていたはずの「いらない人間」だからエスパーに選ばれた、と知らされ、ノナマーレを解雇された円寂(高畑淳子)はつぶやく。
エスパーたちにとってのEカプセルがそうだったように、視聴者にとっての四季(宮﨑あおい)の存在も“甘美な毒”だった気がする。登場からずっとチャーミングだった彼女が、近い将来この世から消えてしまうという事実。四季というキャラクターが魅力的であればあるほど、その結末は辛く感じられる。兆=文人(岡田将生)は四季たった一人の命を救うために未来から30年前の過去に干渉し、1000万人の命を犠牲にしてまでその事実を改竄しようとしていた。正直、めちゃくちゃだ。けれども宮﨑あおいという役者の力量によって、四季は「そこまでしても救いたいのだ」と納得してもおかしくない存在になった。兆が四季の死後、ただただ虚ろな20年間を生きてきたのだと思うと、うっかり同情さえしてしまうほどだ。
とはいえ、兆のやろうとしていることはやはり、あまりに非人道的すぎる。即日解雇、翌日の社宅明け渡し。いかに未来から来た人間が社長だとしても、2025年の労働基準法はそんなこと許さないぞ! と憤慨しながら観ていたが、とにかく、彼らは路頭に迷うことになってしまった。
「これから何のために生きればいいのかしら」
と円寂が言うように、一緒に解雇されてしまった桜介(ディーン・フジオカ)、半蔵(宇野祥平)ともども「人を救う」という生きがいを奪われてしまう。そればかりか、彼らは未来でも未承認のEカプセル服用によって健康を害してもいる。
「もともと死ぬはずだった人間が副作用で死んで何を怒る必要があるんですか?」
責め立てる文太(大泉洋)に対してそう言い放つ兆。さらには退職願を出した文太に対して、四季の記憶を再インストールする「ナノ・レセプター」を飲ませるというミッションを課す。
「あなたは必ずミッションを遂行する。あなたも四季を愛しているから」
記憶のインストールをすることによって四季が危険を回避できると知り、決意する文太。「重い女」を自称していた四季にあえて「あなたが重い、重かった」と伝え、四季の元から去った後に、
「四季も兆も人の気持ち勝手に決めるんじゃないよ。誰も愛しちゃいないよ」
と呟き、息を吐いた時の表情がたまらなかった。大泉洋ここにあり! と思えるようなシーンだった。
Edit_Yukiko Arai