文太(大泉洋)たちがエスパーとして選ばれた理由が明らかに。兆(岡田将生)の狙いとは……。『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第7話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
6話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
一番愛する人である四季(宮﨑あおい)の記憶を操作する兆(岡田将生)

文太(大泉洋)たちがエスパーとして選ばれた理由が明らかに。兆(岡田将生)の狙いとは……。『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第7話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
6話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
7話を観て、脚本家・野木亜紀子が描いてきた人物たちが浮かんでは消えた。ドラマ『アンナチュラル』(2018 TBS)4話の、お菓子の工場で働いていた男(坪倉由幸)。映画『ラストマイル』(2024)に登場した、超大手ショッピングサイトの末端で物流に関わる人々。一見、その人でなくてもいい仕事、替えのきくように見える仕事……。
7話で、文太(大泉洋)、円寂(高畑淳子)、半蔵(宇野祥平)、桜介(ディーン・フジオカ)が兆(岡田将生)によってエスパーに選ばれた理由が明らかにされる。
「いてもいなくても変わらない、いなくなっても誰も気にしない、この世界に何の影響も及ぼさない、そういう人たちです」
エスパーは架空の職業だし、未来を変えるというミッションも実在しない。だが残念ながら、兆のような人がこの世に存在しないとは言い切れない。人を駒のように使うという現実は、実際にある。
けれども、替えのきくように見える仕事であっても、いてもいなくても同じような人に見えても、一人ひとりに人生があり、暮らしがあり、かけがえのない人であることが、野木作品では描かれてきた。今回もそうだ。「何の影響も及ぼさない」どころか、他でもない文太だったから、未来が変わった。兆が想像だにしない状況が訪れた。それは円寂も半蔵も桜介も同じことだろう。ちょっとだけエスパーは、(もしかしたらエスパーの力なんてなくても)それだけで充分にヒーローなのだ。
Edit_Yukiko Arai