誰しも着こなしの要となるアイテムがひとつくらいはあるはずで、その人らしさを形づくるエッセンシャルと言えるのではないか。スタイルに一家言ありな6人に不可欠な私物を見せてもらった。これだけは譲れない、“とっておき”があるって素敵じゃない?#あの人のスタイルに欠かせないもの
俳優・文筆家、紅甘のスタイルに欠かせないもの
フランス映画に憧れて買い集めたスカーフ
俳優、文筆家・紅甘
バンダナ&スカーフ

「ベーシックに回帰した今、私のスタイルに彩りを与えてくれる」
スカーフを集め始めたのは、10代の頃です。高校生の時、『アデル、ブルーは熱い色』でフランス映画に目覚め、アンナ・カリーナやジェーン・バーキンなどの出演作を観ていく中で、フレンチスタイルを取り入れたいと思ったのがきっかけでした。首に巻くだけで簡単にそれっぽくなるし、古着店では手が届く価格で売られているので。以来、どこに行っても気づくとスカーフコーナーを確認せずにはいられなくなって、徐々に増えていった感じですね。今日したものは、あるお店の紳士服コーナーで見つけました。
昔はいろんなファッションを試してみるのが楽しかった。だけど昨年の夏から今年の初めにかけて変化があって、持っていた服があんまり似合わなくなってしまって。それこそ、自分にとって次のスタンダードは何だろうって模索する中、たどり着いたのが、白いシャツにデニムを合わせるベーシックな格好でした。パティ・スミスの影響というか、彼女とジェーン・バーキンの間を目指した結果ではあるのですけど、そこにちょっと遊びを入れたくて、10代の頃から集めていたスカーフを首に巻くスタイルが、今はしっくりきています。
今、『NHK俳句』という番組にレギュラー出演させていただいているのですが、毎回お題があるので、それに合わせて衣装を選んでいたんですね。だけど、前回「音・声」だった時、さすがに無理かもとなってしまって(笑)。今後は毎回違うスカーフをつけようかなと目論んでいるんです。まぁ、それを口実にいっぱい買おうってだけかもしれませんが。以前はデニムと合わせやすい渋い色味の小さいものが好きだったのが、最近では大判でカラフルなものに目がいきがちだったり。趣味はちょっとずつ変わってきてはいるんですよ。だけど、スカーフが私らしさを形作るアイテムであることは、これからも変わらないんじゃないかなと思っています。

Photo_Takao Iwasawa Styling_Ayano Nakai Hair&Make-up_Kazuyoshi Miyamoto Text_Keisuke Kagiwada
