誰しも着こなしの要となるアイテムがひとつくらいはあるはずで、その人らしさを形づくるエッセンシャルと言えるのではないか。スタイルに一家言ありな6人に不可欠な私物を見せてもらった。これだけは譲れない、“とっておき”があるって素敵じゃない?#あの人のスタイルに欠かせないもの
俳優・濱尾ノリタカのスタイルに欠かせないもの
ユニフォームのように毎日着ているナイロンセットアップ
俳優・濱尾ノリタカ
〈Soe Ready to Wear〉のセットアップ

「服選びで大切にしていることは、品の良さと動きやすさ」
〈Soe Ready to Wear〉のセットアップを手に入れたのは2024年のこと。大学時代にアパレルで働いていたこともあって、それまではブランドネームで服を選ぶことが多かったし、自分の大きな体が誇張されないようにオーバーサイズのものばかり着ていました。でも、大切なのは名前や肩書きではなく“本当に好きなもの”だと気づくようになって。22年にモデルをやらせていただいたこともある〈soe〉にたどり着きました。今では僕のクローゼットのほとんどを占めています。ディレクターの伊藤壮一郎さんとも仲良くさせていただいているのですが、驚くことに趣味や価値観がすごく近い。このブランドに惹かれた理由もそういう部分にあるのかもしれません。
僕が服選びで重要視しているところは二つあります。ひとつは「品の良さ」。ラフなアイテムでも〈soe〉の服は洗練されているんですよね。この服もナイロン生地でありながら、襟付きで上品。壮一郎さんも身だしなみにはこだわっているとおっしゃっていて「作り手の姿勢は反映されるものなんだ」と感動したことを覚えています。
もうひとつの選ぶ基準は「動きやすさ」。長年水泳をやっていたので、体を動かすことが好きで。プライベートでも仕事でもストレッチは思い立ったらすぐにしたいし、何なら普段着のまま走り出したくなることもあるんです。この服ならいつでもどこでもすぐ動きだすことができるので、映画『WIND BREAKER』と連続テレビ小説『あんぱん』の撮影で沖縄と東京を行ったり来たりする時期にも重宝しました。着ないときにはクルッと丸めて小さくすれば、トートバッグにもすっぽり入る。スタイリストの北村道子さんの言葉に「シワは服の個性」というのがあるのですが、シワが味になるところも好き。ユニフォームのようにこれからも毎日着たいので、同じアイテムがまたリリースされたらいいな、と密かに熱望しています。

Photo_Takao Iwasawa Styling_Yutaka Aoki Hair&Make-up_Kazuyoshi Miyamoto Text_ Nozomi Hasegawa
