モデル、文筆家のシャラ ラジマが自身初のブランド〈ホーリーブルー/HOLY BLEU〉を始動。南アジアの文化から想を得たアクセサリーが、光を受けて踊る。ブランドローンチに至ったわけや、「踊り子」というコンセプトについて語ってくれた。
シャラ ラジマがアクセサリーに込める「踊り子」への想い
ブランド〈ホーリーブルー〉からアンクレットやピアスを発表

好きなものとルーツを繋げた表現
褐色の肌に金髪を合わせ、瞳はブルー。シャラ ラジマさんは自身の身体的アイデンティティをあえて“ぼかす”ことで、既存の枠組みや誰もが無意識に持つ先入観への問いを投げかける。と言っても、血気盛んに議論を展開するのではなく、音楽やカルチャーを愛しながら日々を気負いなく生きている。
日本で生まれたあとにバングラデシュで育ち、再び日本で暮らし始めたのは10歳のとき。東京都北区王子で高校までを過ごして都内の大学に進学した。ファッションモデルとしても活躍する彼女のユニークでファニーな視点は、ginzamag.comの連載「オフレコの物語」にも滲み出ている。
2025年、シャラさんは自分の世界観を表現する新たなアウトプットを始めた。それがブランド〈ホーリーブルー〉だ。まずアンクレット、ホルターネックトップ、そして新たにピアスを発表したところ。出発点は、「自分の世界観を形にしてみたらどうなるのだろう」との思いだったと話す。
「昔から音楽が大好きですが、目に見えるものや空間で表現をしてみたいと思ったことがきっかけです。そこに加えて、クラビングやモデルの仕事で培ってきた感性や好きなものを、自分のルーツと繋げてみたい気持ちがありました」
バングラデシュではインドの大衆文化が広がっていて、シャラさんの幼少期はボリウッド全盛期と重なる。そこでは、音楽と踊りは常にセットなのだという。今、東京で生きるシャラさんのリアルな日々のなかでも音楽と踊りはいつも繋がっていて、それが過去に触れてきたものとリンクするのだそう。
「テレビや映画の登場人物たちはいつも踊っていた記憶があります。〈ホーリーブルー〉のキービジュアルで使った服も、思えばインド映画の衣装に似ている。ボリウッドが自分の原風景と言えるかもしれません。そこに、東京という街の空気が合わさって進化したのが、今の私の世界観なんです」
Photo_Wataru Kitao (portrait) Text_Motoko KUROKI


