なにかを背負うことって面白いし
自分のギアがどれくらい上がるのか楽しみです
オーバーサイズの柄シャツに太めのパンツという私服でスタジオ入りし、衣装合わせから始まった今回の撮影。なかでももっとも派手なピンクのジャケットを自ら選んでテスト撮影をすると、モニターに映し出された姿にその場がパッと華やいだ。彼は自分に似合うものをよく知っている。
「服に一番お金を取られてます。最近、買いものは2店舗しか行かなくなっちゃって。神宮前に『乱痴気』と、『ネペンテス』って店があるんですけど、そこで大量に買ってます。休みがあったら必ず行きますね」
これ、と決めたらとことんこだわる。そんな自分のスタイルを持つ矢本さんには、大切な〝マイ・スタンダード〟があるという。
「一番はマーベルのフィギュアかもしれないですね。2、3歳のころから集めてます。いくつあるかわかんないんですよ。たぶん世に出たものはすべて持ってて、しかも同じものを何個も買うので。なんでそんなに集めるんだろうって自分でも思うんですけど(笑)。でも、〝カッコいいなー〟って見るだけで楽しいんです。身につけるものだったら、下着のパンツ。ぜんぶ同じです。〈ユニクロ〉で赤のボディに、ゴムの部分が青いデザインのがあるんですけど、50着くらい持ってます。それじゃないと気持ち悪くて芝居できないですね(笑)。役者を始めてたまたまこのパンツを買って、これをはいている日はやたらと調子がよくて、これしかはかなくなったんです。スパイダーマンの色合いと同じなのもよくて(笑)」
もちろん食べ物にも、欠かせないマイ定番が。
「からあげは毎日食べてますね。昔、宮藤官九郎さんに、〝矢本、今日の夜飯なに食べたいの?〟って聞かれたとき、〝からあげ〟って言ったら、〝からあげ好きってアホだよね〟って言われて。あの宮藤官九郎さんに〝アホ〟って言われるのはすごく貴重だなと思って、それでからあげを愛してしまいました(笑)」