社交性ゼロだが、映画愛は無限大の男子高校生を描く、話題のカナダ映画『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』(12月27日より公開中)。2024年の暮れ、主演のアイザイア・レティネンが東京にやってきた!カルチャー全般への情熱みなぎる26歳に独占ロングインタビュー。
[*本記事は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください]
『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』主演のアイザイア・レティネン降臨!
社交性ゼロだが、映画愛は無限大の男子高校生を描く、話題のカナダ映画『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』(12月27日より公開中)。2024年の暮れ、主演のアイザイア・レティネンが東京にやってきた!カルチャー全般への情熱みなぎる26歳に独占ロングインタビュー。
[*本記事は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください]
——映画の舞台は2003年のカナダ。レンタルビデオ店でバイトする、映画監督志望の自意識過剰なオタク高校生ローレンスが主人公の、カミングオブエイジ青春ものです。まず脚本を読んだ感想を教えてください。
素晴らしいと思った。この映画を作ったチャンドラー(・レヴァック)は天才脚本家であり、天才監督であり、カナダが生んだ真の作家なんだ。深みがある、意味深いプロジェクトに参加できて、とても光栄だったよ。僕のようなカナダの若手俳優からすると、オーディションが回ってくる役には多くの場合、複雑さがあまりないんだ。早熟で楽しい子ども、みたいな。わかる?奥行きもないし、成長もないような。
——この映画で主演を務める前は、カナダのテレビシリーズにたくさん出演してきたと言っていましたね。
そうそう。あちこちで脇役を演じてきただけで、これといった重要なものはなかったんだ。
——脚本のどこに惹かれましたか?
いろんな角度から、いろんな見方ができると思うんだよね。ローレンスはある意味、嫌なヤツ。無愛想な嫌われ者だけど、同時に彼の家は貧しくて。もともとの脚本では寝室もない狭いアパートで、母親と二人暮らししていたんだ。それは父親が自殺したから。ローレンスが抱いているミソジニーについても、あらゆる見方ができる。実際、彼の人生に影響を与え、彼を作り上げ、彼を彼たらしめるのは女性たちだ。それにレンタルビデオ店の店長であるアラナ(ロミーナ・ドゥーゴ)も、欠点のない完璧なキャラクターというわけではない。なぜ彼女はあれほどローレンスと感情的に関わるのか。30歳の女性店長がバイトの高校生にあんな風に親しげに話しかけるのは不適切かもしれない。でも、彼らは多面的で複雑なキャラクターであり、まるで現実の世界に生きているかのような、短所を持った本当の人間なんだ。
Photo_Yudai Emmei Text&Edit_Milli Kawaguchi