天真爛漫なフェイと落ち着いたmei。キャラクターは違えども、共にフォークやインディロックを基調に感情のにじむ音楽をつくる。苗場では各々舞台に立ちながらサプライズ共演も実現。本番前日に行った対談取材で二人が話してくれたこととは?
シンガーソングライターFaye Webster × mei ehara、深い部分で感性を分かち合う二人にインタビュー
「Overslept」制作秘話、フジロック、趣味のことetc.

DMでの交流からツアー参加や共演へ
──撮影中もとっても楽しそうでしたね。コラボレーション楽曲も作られているお二人の“なれそめ”をまず聞いてもいいですか。
フェイ・ウェブスター (以下フェイ) 初めはインスタグラムでした。meiの音楽、好きだなと思って。
mei ehara(以下mei) フェイからのフォローをきっかけに作品を聴いたら私も親近感を持って。それからDMで話すようになりました。
──2021年に共同で「Overslept」を発表しています。制作は対面で?
フェイ いえ、そのときはまだ会っていませんでしたね。音もMVも遠隔での合作です。
mei もともと「一緒に曲をつくりたいね」と話していたところ、フェイが先に進めてくれたんです。それで「ここをお願いしたい」と言われたパートに、歌を入れました。
──歌詞を日本語にしたのはフェイさんのリクエストですか?
フェイ とくに指定したかったわけではないんです。ただ普段と同じようにつくってほしかった。彼女にとって日本語が自然なら、そうしてほしいと思っただけ。できあがった後meiが翻訳してくれたリリックを読んだら、とてもポエティックで感動しました。
mei 「Overslept」の頃は、まだテレビ電話すらしていなかったかもしれません。テキストベースで意思疎通をして。
フェイ それでも互いのやりたいことは共有できていたし、なんの心配もありませんでした。初めて実際に顔を合わせたのはアメリカ西海岸ツアーのときだから、去年の9月かな?
mei そうだね。それまでも2度ほど、ツアーに参加しないかと声をかけてもらったのですが、なかなかタイミングが合わなかった。去年、サポーティングアクトとしてやっと出演が叶いました。
──初のオフライン対面はどうでした?
mei いい意味で、「やっと会えたね〜!」というテンションではなくて。最初から自然な居心地を感じられた相手なんですよね、フェイは。
フェイ 私も同じ。その前からずっと彼女のことを大好きで素敵だなと思っていたわけだから、“リアルmei”に触れたときは、答え合わせではないけど、「うん、メイクセンス!」とうれしくなった。「そうだよね、meiはやっぱりこういう佇まいの人だよね」というか。
mei フェイは、ビデオでもチャットでも会って話していても、いつもナチュラルで変わらない。明るくておどけた調子も一定です(笑)。

Photo_Taro Mizutani Text_Motoko Kuroki
