前回（私と部屋 vol.127）ご登場の中川 聡子さんにご紹介いただいたのは、山﨑香織さん＆ Max Wangさん。
「8年前にブルックリンで古いアパートを購入し、自分たちでリノベーション。違う種類の木やマテリアルを使っていても、すべての部屋に統一感が出るようにこだわりました。職業柄、家具もほとんどがお手製のものばかりです」
🛋LIFESTYLE
私と部屋 vol.128 ハンドメイドならではの風合い
木工作家夫妻によるセルフリノベーション
おふたりの暮らしの3ヵ条
1. 家族揃って食事をする
2. できるだけエシカルに暮らす
3. 余計な物を増やさない
ダイニングルームには、自分たちで製作したテーブルとベンチを。天井にあるシーリングファンでかなり空気が回るので、夏はこれがあれば冷房はあまり必要ありません。ブルックリンの中でも一番高台にある地域、そして家の前が広い公園ということもあり、風がよく通るのかなと。
テーブルは脚が一本で使いやすく、見た目もすっきり。四角ではないイレギュラーな形と、丸みを帯びたエッジが気に入っています。ストレッジの座面には、長持ちするよう皮を使用。奥の壁にあるのはアーティストDora Hsiungによる、毛糸を用いたファイバーアート。義父の友人だそうで、大切に譲り受けた作品です。
広い家ではないので、色々なところにストレッジを設置し、物を隠せるように。プリンターやペーパータオル、お米、ラッピングペーパー、ステーショナリー類など、生活用品がたくさん入ります。
愛用している湯呑みは、故郷の長野県松本市にある「LABORATORIO」というお店で購入したもの。窓の外には公園が見え、大きな木々、芝生、子供のためのプレイグラウンドと噴水、市営のオリンピックサイズの屋外無料プール、サッカーグラウンドやバスケットボールコート…などが揃います。私はここで、子供の誕生会をやったり、遊ばせたり、自転車に乗らせたり。かなり高台にあるので、自由の女神やマンハッタンのスカイライン、イーストリバーやハドソン川も見えて、とても気持ちがいい。
子供が大好きなLEGOをオーガナイズ／収納する用の棚をリビングに。もう10歳なので一人で黙々と作っています。ブルーのラグは5年ほど前にモロッコで購入しました。中央奥の作品は、友人のアーティスト、David Kennedy Cutlerの作品。左手前＆右手前の作品はCarol Summersという作家のプリント作品で、夫のご両親が60年代に購入し、ずっと家に飾っていたものを最近譲り受けました。
サンセットパークという地名の通り、目の前にある公園から日が沈むのが見えるので、心地よい季節になると、友人らと夕飯を持ち寄って夕陽を見ながらのんびりできます。 散歩に行くと、いつも誰かしら近所の人に会えたりするのも嬉しい。利用者の人種も多様で、いつも賑わっています。
キッチンは夫の希望でステンレスをメインに、レストランの厨房っぽい雰囲気に。この窓は東に面しているので、朝日がとてもよく入ります。料理は私は特に好きではないので、義務でやっている感じ（笑）！夫の方が得意ですが、いつも感覚で自分流にアレンジしています…。どの料理にも必ずニンニクが入っている気が。
広くないキッチンなので、必要最低限のツールしかありません。鉄鍋は長年毎日のように使っていて、油が馴染んでかなり良い塩梅に。日本製の雪平鍋やたわしはニューヨークにはないので、すごく重宝しています。
使った木材はmarine grade fir plywoodといって、もみの木の一種。とにかくスペースがあまりないので、扉は全部引き戸にし、天井まで収納にしました。よく使う木のツールも取りやすい位置に。ブラウンのピザピールは夫作、柔らかい色味のチーズボードは、私作だった気がします。
寝室のクローゼットとベッドフレームもオリジナルで作りました。リネンは15年ほど前にインドのジャイプールにあったお店で買ってきた、〈アノーキ〉のブロックプリントのキルト。コットンの生地が柔らかくて軽いので、とても気に入っています。
おふたりの紹介する次回のゲストは、呉 千恵さんです！
Edit&Text_saori uemura
